第11話「バカにされても、自分の心を貫く強さだけを育てろ。」

 「ぼくは片づけ心理小説を書いて、芥川賞をとる。」


 「バカにされても、自分の心を貫く強さだけを育てろ。」と、いうテーマで第11話を書いていたのだが、第12話を書こうと思っていた下書きを、間違えて11話に上書き保存してしまっていた。これはのっけから、落胆の色を隠せないでいる。


 そんな時に響いてくる言葉が「ぼくは片づけ心理小説を書いて、芥川賞をとる。」というタイトルだ。そう、ぼくは芥川賞作家である。だからこそこの瞬間で考えるべきことは、「芥川賞を取っている伊藤勇司だったら、この状況をどう捉えて進むか?」ということである。


 ひとまず今日は、自宅でこの文章を書こう。ぼくは「もち吉」で密かに購入している「力水」を沸かしながら、モリンガ茶を飲む準備をした。知る人ぞ知る、モリンガ茶だ。


 昨日から1歳の息子が熱を出し、昨夜から妻が体調不良で熱が出ている。今日も早朝から家事や病院の送り迎えをしながら、主婦業の偉大さを改めて実感した。しかし、そんな中でもスキマ時間をとって文章を書くあたりが、未来に芥川賞作家と呼ばれる所以である。


 お湯を沸かしている間に、少したまっていた洗い物を済ませておく。この辺りの行動が、片づけマインドが染み付いている自分を感じる瞬間だ。


 「パチッ」


 お湯が沸いたケトルの音と共に、少しだけ洗い物をしたものを済ませて、モリンガ茶にお湯を注いでいった。

 

 昨日は朝から、1日バタバタしていた。息子が熱を出して、妻も体調を崩し、病院に連れて行ったり等々、いつも妻がやってくれていることを変わりにやっていく。それもあって、スキマ時間で仕事をしていた為、謝って記事を削除してしまったのだろうか。

 

 記事が消えてしまったことで、改めて思うことがある。それは、書いたことを覚えていないということだ。 そう、知る人ぞ知る、モリンガ茶だ。


 リアルタイム小説を書いていると、現実世界でもリアルタイムに色々起こる。それらも反映しながら文章を書いていると、不思議と遊び心が欲しくなるものだ。そう、知る人ぞ知る、モリンガ茶をしつこく繰り返してしまう、遊び心だ。


 前回は、約2600文字ほど書いていただろうか。それが一瞬にして消えることに、人生の儚さを感じる。これを無駄な努力と捉えるのか、執筆力を鍛える必要なステップだったと捉えるのか、全ては自由だ。


 今日は、3月9日。サンキューの日。改めて、自分にありがとうと伝えたい。 そう、何が起きても、すぐに切り替えて前に進める自分に、ありがとうを伝えたい。


 心の中でありがとうを反芻していると、モリンガ茶が良い塩梅になる。できたての熱い湯気が立ち上るコップに口を近づけて、そっと一口含んだ。


 第11話「バカにされても、自分の心を貫く強さだけを育てろ。」というテーマは、明日更新することにしよう。モリンガ茶を飲むと、そういう気持ちになった。


 モリンガは、スーパーフードと呼ばれている。世界三代美女のクレオパトラが、モリンガのオイルを肌に塗り、モリンガのお茶を飲んで、絶世の美女とうたわれた美しい美貌を維持していたという逸話もあるくらいだ。いうまでもないが、伊藤勇司は絶世の美女になるために飲んでいる訳ではない。


 生きていれば、バカにされることもあるだろうが、積極的にバカになってみることも大切だ。そう結論付けて、今日の文章を終わりにしよう。


 失った記事と時間を、モリンガ茶で取り戻した気持ちになって、明日に繋ぐことにした。

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