第10話「かっこ悪い間違いから、世界を変える新発見が誕生する。」
「ぼくは片づけ心理小説を書いて、芥川賞をとる。」
この言葉を、声に出して復唱する。瞼を閉じて、暗闇の中で復唱する。自分の内側に響き渡るように、細胞全てに浸透することをイメージして、何度も何度も復唱する。そうすることで、遺伝子レベルで「ぼくは片づけ心理小説を書いて、芥川賞をとる。」というコミットが浸透していくことが感じられる。
今日は早朝から、動画収録をしていた。朝3時33分に起きて、5時からセミナールーム入りする。そこから2時間撮影をした後に、近くのスタバへ移動した。ここが、今日の執筆場所だ。
第9話を執筆した後に、読者の方より下記のメッセージを頂いた。
「先生、こんにちは。早速小説読ませていただきました。なんかスピード感?疾走感?が凄いです。なにか私も後ろから「ほれほれ」と煽られてるような?(笑)
でね、最後の方、「エネルギー」が「エベルギー」になってる。大事なとこだと思うから、お節介ながらお知らせしておきます。」
ご指摘は、とてもありがたいことである。しかし、このカクヨムでの執筆は練習なので、あえて修正せずに間違いも残しておこう。
人は失敗を恐れて、正解を求めてしまう。しかし、失敗こそが成功に活きることを、ほとんどの人は理解していない。
「うふふ、うふふ、わたし、超幸せ〜❤️❤️❤️」
という、ハッピーオーラだけで終始展開する小説を、
「うふふ、うふふ、この小説、超面白〜い❤️❤️❤️」
と、終始感動して読む読者はいないだろう。
間違いもまた、味になる。そして、間違うからこそ人間である。この際、一度「エベルギー」で検索をかけてみよう。もしかしたら、同じ過ちを犯してしまいながら、気づいていない人がいるかもしれない。
ぼくは「思い立ったら吉日」と頭の中で反芻しながら、グーグル先生を活用してエベルギーを検索した。
『旅をすると、あなたがどこにエベルギーを割くべきかが見えてきます ...』
あるやん。めっちゃ間違いながら、名言っぽいこと書いてあるサイトあるやん。
興奮したぼくは、無論そのサイトに直行したが、このままの勢いで行くと9話のインドカレーのくだりのように、もうすぐ1000文字に到達してしまう。昨日よりは今日、今日より明日だ。ギリギリ昨日よりはマシな形で軌道修正をして、本題に移ることにした。
と、思ったのだが。
「チンチロチロリロリリリロン、チンチロチロリロリリリロン・・・」
ぼくの携帯電話が鳴る。
ちなみにどうでもいいことだが、誰か効果音の書き方を教えて欲しい。音の描写がいかに難しいかを、小説を書きながら痛切に実感した。
と、昨日ここまでのエピソードを書いていたが、電話の内容は緊急事態だった。そのことについては、ここでは控えておこう。
その続きとして、今日執筆を続けている。
不思議なものだが、リアルタイムで起きていることを織り交ぜながら、この小説を執筆していると、世の中をゲーム感覚で俯瞰して捉える自分が育っている。これは思わぬ副産物だ。
そして、毎日小説を更新しようと思うが、想定外のことが起きまくる。改めて、やりたいことを習慣化をするためには、日々試行錯誤しながら、トライアンドエラーをひたすら繰り返す他にないのだろう。
ちなみに今日は、冒頭で描いた昨日のスタバではなく、地元のスタバで執筆をしている。スタバだけは、一貫しておきたかったからだ。
集中して冷めかけているドリップコーヒーを口に含むと、舌から喉へかけて苦味が広がっていった。いつになく、味覚が研ぎ澄まされている。
小説を書くのは、実に面白い。物語を小説という角度から書くことを通して、五感が研ぎ澄まされていくからだ。これは、11年間ブログを更新し続けてきても、感じることがなかった感覚だ。実に面白く、実に楽しい。自分がどこまでも、成長していける気持ちにもなる。
今日は、昨日の続きでもあったので、あえてここまでにしておこう。
一気にコーヒーを飲み干したぼくは、休日で混み合ってきたスタバを後にした。
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