第22話 大切な友達
姫は…モナは賢者…リザに対して構えをとった。
「な、何なの…あなた…私とやる気?」
「…フッ…」
リザはモナの言葉に対して微笑の表情を浮かべた…
そして次の瞬間…
「お、お願い!私と一緒に来て…っ!」
リザはモナに対して頭を下げた…
驚くモナ…
「ど、どうしたっていうの…あなたが私に…」
「お、お願い…あなたにしか頼めないの…
私には仲間がいない…戦闘ならモンスターが私を助けてくれるわ…
でも助けたいものを助ける時には私は頼る人がいないの!
お願い…ベロを…ベロを…」
「ベロですって!ベロがどうしたのよ…?」
「ベロが倒木の下敷きになってしまって…」
「何ですって…!」
「姫様…騒がしいようですが何か…!」
王族付きの兵士が二人の姿を見て叫んだ…
「ぞ、賊だ!姫を襲うために悪い魔法使いがぁぁぁぁ!」
その叫びを聞いた兵士が次々と二人を取り囲んだ…
「さあ…もう逃げられないぞ…この賊め!
姫様…どうか安全な所へ…」
「…るさい…」
「えっ?」
「うるさい!このバカ兵士共が!
よくも私の大切な友達を賊呼ばわりしてくれたわね…!」
モナの一喝の叫びに兵士達は一瞬たじろいだ…
リザもモナの一言に驚いたが…次の瞬間…また
微笑の表情を取り戻した…
「リザ…私を…」リザは頷いてモナの手を引いて
バルコニーへと彼女を連れて出た…モナのポニーテールが激しく揺れる…
リザの背中に蝙蝠のような羽が現れたかと思うとそのまま二人は白嵐山の方へ飛び去って行った…
「じゃあ…お願い!たくさん仲間を連れてきてよ…急いでね…」「キュピッ…!」
小さなモンスターに話しかけた光輝…
モンスターは素早く倒木の向こうへと消えて行った…
「クゥーン…クゥーン…」
「大丈夫だぞ…もう少しの辛抱だ…もうすぐ助けに来てくれるよ…」
「おーい!」…タッ…タッ…
空から二人の女性が光輝の元にやって来た…
「…誰…?」
「…さあ…?」
二人は仲良さそうに話している。
「なんだ…仲間…友達がいるんじゃん!」
「こ、こんなヤツ友達じゃ…」
「わ、私だって…違いますわ…」
「プッ…アハハハハ…」俺は我慢できずに吹き出してしまった…
「な、何がおかしいんだよ…」
「本当ですわ…失礼な…」
「だって二人共…ソックリだからさ…」
光輝の言葉に二人は顔を見合わせた…
モナはリザを…リザはモナを見つめて
苦笑いのような表情を浮かべた…
「クゥーン…クゥーン…」
「ベロ!大丈夫?…ちょっとあなた…なんとかしなさいよ…男でしょ?」
モナは光輝を叱るような口調で言った。
「お、男だろうと何だろうと無理なモノは無理だよ…」
「さ、三人でも無理かな…?」
リザは気弱そうに言った…彼女にはもうカミナリを落として追ってきた元気は全く無かった…
「大丈夫…君が仲間を探しに行っている間に助っ人を呼んでおいたから…」
「キュピッ…」
「ああ…来てくれたみたいだ…」
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