第18話 パートナーとしての価値
「メ、メラメラ…」
必死に呪文を唱えるルーシーに主税とミーコは顔を見合わせて笑い合う…
「おいおい…君、本当にSSレア…?」
「主税様…仰せの通りに調べましたわ…
育成が面倒臭くてクッソ使えないキャラですが、一応確かにSSレアですわ…」
「君…他に使える魔法無いのかい?」
「お、覚えたてで…意識失っちゃうけど…『メラボー』が使えます…」
「…じゃあ、全力で闘わなきゃダメだよ… すぐにコレクション要員になってBOX行きだよ…
君が居なくなって前の持ち主もスッキリしてるんじゃない…?すぐに新しいSSレアをゲットしたら自分の前から消えてしまった君なんかBOXから消去しちゃうだろ?
今はまだ前のパートナーが君の持ち主だから僕は手が出せないけど…そんなに使えないキャラなら使えるSレアを残して…君を消去しちゃうよ…」
「ひ、光輝くんはそんな人じゃないわ…」
「そうかな…?まあ…どちらでもいいけど…僕なら
消しちゃうけどな…ハッハッハッ…」
主税は自慢の長刀をしまって白嵐の城下町の方へと向かった…
付いて行こうとするルーシーをミーコが制した…
「ちょっと…あなた…どこへ行くの?」
「どこって…パートナーと宿に泊まるんでしょ?」
「はあ…あなたの前のパートナーって本当にお人好しというか…よっぽどRPG《ゲーム》に慣れていない人なのね。
私達は街の外でキャンプよ…宿に何人も泊まると
それに今は私がトップレアであなたは仮のパートナーだから主税様と一緒に戦っているけど…もしも…明日、主税様がガチャでシークレットレアでも当てられたら…私はお払い箱よ…
主税様だけじゃない…大体のプレイヤーがガチャ回すのを楽しみにしているの…より強いキャラをゲットする為にね…
だから私は時々キャンプから出て自分のレベルを上げているわ…自分の価値を上げるためにね…
あなたは今、お客様みたいなものだからアドバイスするけど…主税様のコレクションになったらアドバイスなんてしないわ…
私は絶対にあなたには負けないから…」
ミーコはテントのほうへと引き上げて行く…
街の外から白く輝く城を見つめて呟くルーシー…
「光輝くん…」
光輝は寝食を忘れて街中を駆け巡ってルーシーを探していた…
そして…光輝は長刀を持った戦士風の青年とすれ違う…
迷いなく声をかける光輝…
「すみません…ルーシーっていう俺と同じくらいの歳の魔族の女の子を探しているんですが…知りませんか?」
主税は光輝の顔をじっと見つめた…
…ああ…この間の…
「いや、知らないですね…その魔族の女の子がどうかしましたか…?」
「俺のパートナーなんです…急にいなくなっちゃって…」
「それはお気の毒に…しかし…またガチャで当てられたらいかがですか?」
「えっ?」
「もう一度…SSレアを当てれば良いではないですか…もっと強いパートナーが当たるかもしれない…今、そのパートナーを見つけられてもあなたを置いて出て行くようなパートナーよりは新しく育てた方が手っ取り早いですよ…
そうだ…私にガチャコインをくださるなら…私がそのパートナーを探してきてあげ…」
「アンタだろ…?」
「えっ?」
「どうして俺がSSレアのパートナーを探しているって分かったんだよ…俺は何も言ってねーぜ!
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