第13話 必人を探して

早速、俺達は女性店主の防具屋に入って装備を揃えた…手持ちが少ない分は店主にお願いしてお値打ち価格にしてもらった…


…やったね!とVサインをルーシーちゃんに送ると

彼女も笑顔で返してくれた。




結局、俺には魅力ステータスUPの服を…ルーシーちゃんには魔力UPの服を買った。防御力もそこそこ高そうなので以前よりは少し安心出来そうだ。



「光輝く〜ん!どうですか…?えへへへっ!」


新しい服に着替えたルーシーちゃんはクルクルっと回って俺の方を見た…


「うん。似合ってるよ!すっごく…!」


「そ、そうかな…えへへへ…」照れた彼女は本当にすっごく可愛かった。




それから俺達は街を散策する事にした…


情報収集と…実は他に気になっている事があった…



そう!一緒に居なくなった必人の事だった…

きっと俺と同じようにこの世界に飛ばされているに違いない…何か手掛かりが得られれば…



草緑の街はそれ程大きな街ではなく、大きなメインストリートに数本の路地が交差する単純な造りの街である…ただ、RPG《ロープレ》の世界に入りこんだ俺にとっては石畳の街や異文化の人達は大小関係無く憧れの存在であった…


剣や防具が売られているのを見るとああ…ここは異世界なんだと改めて感じた…



情報収集ならやっぱりここは酒場に行くべきだ…


「カラン…コロン…」


俺達は酒場のドアを開けて中に入ると沢山の人の視線が一気にこちらに向けられる…


カウンターの中の綺麗な女性が俺に話しかけてきた…



「いらっしゃいませ…見ない顔ね…この店は初めて?」


「…はい。すみません…人を探しているのですが…

俺と同じような歳格好の男の子を見かけませんでしたか?手掛かりを探しているのですが…」


「さあ…ゴメンなさいね…ただ、ここから西にしばらく行くと白嵐の城と城下町があるわ…

大きな街には人が集まる…何らかの情報があるかもしれないわよ…」



「そう…ですか…それじゃ行ってみようかな…?ありがとうございました。」


「あっ!ちょっと待って…ねぇ…カルーアミルクでも飲んでかない?お姉さん…サービスするわよ…

うふふ…あなた可愛いわね…」



「…コホン!」



その時、聞いたことのある咳払いと背筋が寒くなるような視線を背後に感じた…



「いやぁ…あの…ま、まだお昼だし…え、遠慮しておきます…アハハハハ…」


「そ、そ〜お?…うふふ…じゃあ、またいらっしゃいね…」



酒場の外に出ると…


「光輝くん…綺麗な女性にまたデレデレしてたでしょう…」ルーシーちゃんは頰を膨らませた。


「し、してないよ…旅の情報を聞いていただけだよ…」


「ホントに…?ダメだよ…パートナーは私なんだからね…」


「も、勿論だよ…」



…少しヤキモチ妬きの僕のパートナー…

これからの旅が楽しみだな…



とにかくゲームクリアと必人を探し出さないと!



しかし…この旅が後で、あんな大変な事になるだなんてこの時は考えてもみなかった…

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