第12話 信頼の絆
「俺さ…最初は体力全振りでいい装備を手に入れるまではヒットアンドアウェイ…つまり、強い敵とは絡まない作戦で行こうと思ってたんだ…
ルーシーちゃんに戦闘ばかりでプレッシャーを与えるのが嫌なのもあってね…
でもポイントを消失したのならともかく…ステータスでズバ抜けてる要素があるならそれを活かしたほうが良いんじゃないかと思ってさ…」
「光輝くん…」
「聞いてくれる…俺、昨日の羊さんがヒントになったアイデアがあるんだ…」
「アイデア?」
「そう…ルーシーちゃんは怒ってたけど、魅力があの羊のモンスターよりもすごく高かったから俺は助けて貰えたんだと思うんだよ…
だから魅力をこのまま磨いていけば…どんどん強いモンスターに助けて貰えるかもしれない…
俺自身が強くなる方法もいいと思うけどモンスターに助けて貰えれば…」
「でも…光輝くん…そのプラン…重大な落とし穴があるわよ…」
「お、落とし穴…?」
「そう…!その計画…エンカウントした敵が全部オスならどうするの?」
「その時は…ゴメン!逃げるしかないかな…?」
「ハァ〜〜…」ルーシーちゃんは驚くほど大きな溜息をついた…
「アハハ…そんないい加減なプラン…やっぱり無理だよね…」
「そうね!…無理だわ…」
「うん…ゴメンね…」
「でもね…」
「えっ…?」
「無理だけど無茶じゃない…光輝くん…私の事もちゃんと考えてくれて…
少し位の無理はパートナーなら聞いてあげなきゃ…
光輝くん…一緒に頑張ろう!」
彼女と心で繋がっている…信じて貰っているという感動に俺はしばらくその場に立ち尽くした…
今までの人生で家族以外で…いや、家族の間でもこんなに信頼をお互いに感じられた瞬間があっただろうか…?
彼女を後悔させない為にも出来る事は全てやって
クリアに向けて頑張らないといけないな…
…宿を引き払って俺達は街で情報収集と装備を揃えることにした…ルーシーちゃんは女将さんに向かって噛み付きそうな勢いだったのだが上手くなだめて
街へと繰り出す事が出来た…
もしも可能なら街に帰れなかった時の為にフィールドキャンプを張れると有り難いと思っている。
まずは装備を整えないと…
俺達は武器と防具を売っているお店に入った…
「よぉ!兄ちゃん!いい鎧が入ったんだ…見て行きなよ…」
店主は屈強な元戦士のようなタイプの男性だった…
すかさずルーシーちゃんは
「いやあ…探してるモノが見つからないんで、また
来ます…」と言って俺の手を引っ張って店を出た…
「ど、どうしたの…ルーシーちゃん。まだよく見れてないよ…」
「光輝くん…ダメだよ…女性店主のお店を選ばなきゃ…安くして貰えないよ…」
「そ、そうか…本当だね…」
…魅力を最大限に活かして行かなきゃと決めたのに…
前途多難というカンジで僕と彼女の冒険は本格的に幕を開けた…
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