第5話 初間接!
…要はパラメータの振り方をどうするか…って事を相談してくれてるんだよな…
俺はこの後、必人を探して彼女…パートナーと旅をする…つまりゲームをクリアする事で元の世界に戻れる可能性が高いと思っている!
彼女はSSレアのキャラだと言っても可愛い女の子だ…
俺が彼女を守んなきゃいけないんだよな…って事は
一択だな…!
「ルーシーちゃん!一番上のステータスにポイント全振りしといてよ!」
「えっ!本当にそれでいいんですか…?もっと防御力とかに…」
「いいの!いいの!じゃ頼んだよ…!」
そう言って俺は草むらに寝っ転がって左手に持っていたハンバーガーを一口頬張った。
…パラメータの一番上はどんなゲームも共通して
HP《ヒットポイント》だ…
これから旅にどんな困難が待ち受けているか分からない…毒の沼…ダメージ床…モンスターとの遭遇…
その時に一番役に立つパラメータって何だ?
力か?防御力か?
違う…
俺が死んでしまったら彼女は一人…
場合によっては棺桶を引きずって歩かないといけない…そんな事を彼女にさせる訳にはいけないだろう。戦闘は逃げるという選択肢もあるからな。
寝転がった僕の横にルーシー…彼女が腰を下ろした…
「ズルい。」
「えっ?」
「ハンバーガー。一人で食べちゃったでしょ…
私にも頂戴よ…光輝くん」
「ひ、光輝くん…?」
い、いきなりエグい速さで距離が詰まった気がするんだけど…
「貰っていーい?」
「あ、ああ…」
僕はハンバーガーを手でちぎって渡そうと思っていたら彼女は僕の左手を両手で持ち上げて口を大きく開けてハンバーガーを…頬張った!
「お、美味しーい!」
右手を頰に当てて満面の笑みで彼女は微笑んだ…
こ、これって…
初間接…キッス!
生まれてから今までワンミニッツさえも彼女の気配すら無かった僕がか、間接とはいえ…キッス…
しかもこんな美少女が僕の食べたハンバーガーを…
い、異世界も悪くないかもしれない…
ピューッ!
ふと気付いたら日は完全に落ちて強い風が僕の体温を奪っていく…草むらに座り込んでいる僕は海から吹いてくる風に思わず身を縮めてしまった…
…さ、寒い…でも…ルーシーちゃんはもっと…
「このハンバーガー…新作?お、美味しー!」
結局残りのハンバーガーを美味しそうに平らげてしまった。
しかも…寒そうには見えない…
「ルーシーちゃん…寒くないの?」
「うん…私、魔族だから平気だよ…
あっ!光輝くん…私の事気遣ってくれたんだ…
優しいね…私…変だよ…さっき出会ったばかりなのに…ずっと前から一緒にいるみたい…」
そう言って彼女は体を僕に預けてきた…
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