第4話 美味しそう?
「喜んだ…えっ?…俺が…?」
どうやら彼女は俺の事を知っているようだ…
でも…確かに俺も彼女を何処かで見た事があるんだよなぁ…うーん…もう少しで思い出せそうなんだけどなぁ…
彼女を直視する…ちょ、直視出来ない程可愛い…
大きな瞳、サラサラの長い髪、捻れた二本角…
えっ?角…?ま、魔族…ってことは…
「き、君…ひょっとしてルーシーちゃん…かい?」
「えっ…思い出してくれたんですか?」
…そうか!異世界に迷い込んでどうしようかと思っていたけどダウンロードした新しいゲームの世界に入り込んでしまったんだな…
場所も特定できたし、これで一安心…
じゃない!
とにかくここから早く抜け出さないと…
「ねぇ…ルーシーちゃん!」
「はい?」
「ここってゲームの中の世界だよね…?
え…と…名前なんだっけ?」
「君しか見えない…ですか…?」
「そうそう!それ!」
「…そうですよ…まだβ版テスト中らしいですけど…」
「えっ!…俺ってモニターって事…?
必人…何てモンに引き込んだんだよ…
そ、そうだ…必人…必人は…?
一緒にこの世界に飛ばされたのか?それとも…?」
「あの…」
「わっ!ビックリした!どうしたの…?」
「私…あなたの事…お顔は拝見してたんですけど…
まだお名前を伺って無いんです…」
「ああ…光輝…貴良光輝だよ…」
「ひかる…さん…良いお名前ですね…」
「いやあ…」意味なくテレちゃったよ…
「ちょっとスマホを貸して貰えませんか…?」
「ああ…良いけど…って魔族の方もスマホ使えるの?」
…彼女はちょっとムッとして頬を膨らませながら…
「そんな…ゲームのキャラだからって馬鹿にしないで下さい…
これでもあなた方の並列世界の住人なんですよ…
ほら…服だってあなた方と同じようなカンジでしょう?」
黒いワンピにサンダル姿の彼女はその場でくるりと一回転した…
か、可愛い…!
…こんな子が…彼女だったら…いや!待てよ!
彼女はゲームの中の住人…所詮は0と1の数字で出来た存在なんだ…
で、でも…か、可愛いなぁ…
「光輝さん…!」
「は、はい!」
ヤベー!変な事考えてんの…バレたかな?
「スマホを…」
「あっ、ああ…スマホね…はは…」
俺はシャツの袖で画面を拭いてからスマホを彼女に渡した…
「ひかる…さん…っと!生年月日を教えて下さい…」
「生年月日は…」「血液型は…?」
どうやら彼女は打ち込んでいなかった俺のプロフを
入力しているようだ…
「じ、自分でやろうか…?」
横から彼女が入力している文字を覗きこんだ…
※▲○□παcos X〒…
ア、アラビア文字より読めない…魔族の文字?
こ、この世界では言語が人間界表記にならないの?
「光輝さん!」 「こ、今度は何?」
「…ちょっと複雑なんだけど説明していいですか…?」
「い、いいよ…」
「元々、光輝さんのパラメータポイントが250ポイントあったところに初回ログインボーナスでプラス500ポイント入ってきたんですよ…その上ゲットしたアイテムが任意のステータスを伸ばすことが出来るもので…えーっと一個使う毎に25ポイント伸びるんですけど…それが10個届いてますね…あ…ハンバーガー美味しそうですね…それからレベルアップした時に、光輝さんのプロフィールデータの生年月日、星座、血液型からどのステータスが伸びやすいかが決まっています…それを踏まえてポイントの振り方を考えるのがベストかと思います。ハンバーガー超美味しそうですね…ペラペラペラペラ…」
…えーっと…
ハンバーガーが美味しそうって事…?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます