第231話
「リネラス、別に俺は怒ってはいない。エターナルフィーリングにそういう特性があるのなら、コソコソせずにきちんと話してほしい」
まあ、俺の知識の中には男女共に浮気を結構するとかあるからな。
男女にとっては気になるところなのだろう。
「まあ怒ってはいないが、リネラスにはペナルティで金貨700枚を後でもらうからな? そこそこ稼いでるんだろう?」
俺の言葉にカップを持ったリネラスの両手がカタカタと震えている。
怒ってはいないがお金は払ってもらわないとな……。
妻が貯蓄せずに旦那の給料で豪遊して、後日に発覚した時の旦那の気持ちが何となく分かった気がする。
「……は、はい」
さて、今回の失態でリネラスとイノンもしばらくは俺に強く出れないだろう。
おかげでしばらくの間は、ここでの地位は安泰だな。
「それじゃ、イノンと町に行って来るから囚人リネラスくん。きちんと金貨は払っておいてくれたまえ」
「ねえ? ユウマは絶対怒ってるよね? 怒ってるよね?」
リネラスが俺の服の袖を掴んで上目づかいに聞いてくるが……何を言ってるんだろうか? この子は……。
「チッ! まな板に怒るわけないだろ? まったく……」
おや、思ったより俺は怒っているようだ。
まぁ仕方ないな、そう仕方ない。
勝手に俺の資金を使われたのだからな。
少しは反省してもらいたいものだ。
俺の言葉を聞いたリネラスは、「――ま、まな板?」と、呆然とリネラスは自身の胸に手を当てている。
そして顔を真っ赤にすると「うぇぇぇぇぇん、ユウマのばかぁあああああ」と、叫んだ後、泣きながら自分の部屋に入って扉を大きく音を立てて閉めた。
「ユウマさん、エゲツないですね。女性を身体的特徴で攻めるのはよくないですよ? それでなくてもリネラスさんは気にしているのですから」
イノンも大概であった。
「大丈夫だ! 身体的特徴で攻めるのはリネラスだけって決めてるからな!」
アイツなら何を言ってもすぐに復帰しそうだし。
「そ、そうですか……」
リネラスの言葉を聞きながら、俺は相槌を打つ。
そして今後の事を考えると、やはり情報が必要だなという結論に達する。
解放軍はリネラスを狙っている事は明らかであり、動向を知っておきたい。
そうすると知ってる奴と言えば……。
「一度、アレフと会う必要があるな」
「アレフさんって、カレイドスコープの代表者の?」
「ああ、アレフに会って町の様子と、ユリーシャが率いる解放軍の様子を確認にいかないとな。まずは町にいくかな。イノンはどうする?」
「はい、お供します」
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