第215話
海の迷宮リヴァルア1階は、半漁人。
海の迷宮リヴァルア2階は、蟹ぽいの。
海の迷宮リヴァルア3階は、伊勢海老ぽいの。
海の迷宮リヴァルア4階は、ホタテ、ウニ、サザエ、アワビぽいの。
「ふむ。考えれば考えるほど2階から4階は漁場としては優良な気がする」
俺は火炎の魔法を維持し、イセエビを焼きながら考える。
これで醤油があれば壷焼きとか出来たりするんだが……。
イセエビを焼き終えると、手刀で切り分けてから齧り付く。
とてもおいしい。
もって帰りたいが……。
「俺、アイテムボックス使えないからなあ……」
空間魔法系統の入門に近いアイテムボックスは、魔法師育成学校に行けば教えてもらえるらしい。
そんな事をリネラスは言っていたが、俺には空間作用の魔法というのがどういった物なのか理解が出来ないし想像も出来ない。
よって漢字魔法が発動しないのだ。
「無い物強請りをしても仕方ないか……」
俺は火をおこした事で近づいてきたウニが放ったトゲを指先で受け止めながら食事を続ける。
「とりあえず何階まであるか分からないからな……」
食事が終わり立ち上がると、俺は歩きながらウニから射出されるトゲを避けて近づき、交差する瞬間に手刀で真っ二つに割った。
中にはウニが詰まっており、新鮮なうちに頂く。
一通り食べ終わったら、魔法で水を生み出し喉を潤す。
「さて、階下にいくとするか」
5階に続く階段を降りていく。
100段くらい降りただろうか?
着いた先は、巨大な空間であった。
天井は優に10メートルはあるだろう。
部屋の一辺は憶測に過ぎないがおそらく50メートルはある。
そして中央部には、『きゅい?』とかわいい声を上げてイルカが出現した。
一匹だけしか現れないからどうせフロアボスとかそんな感じなのだろう。
「ふむ……」
そして俺は間髪入れずに”風刃”でイルカをバラバラにバラした。
それと同時に床下に続く階段と宝箱が現れた。
「なるほど、倒すと宝箱が出るのか」
俺は宝箱を開けると、そこにはイルカ型の背負い式のバックが入っていた。
そして俺はそのまま階段を上がっていき、食べきれない分のササエとかアワビが入らないか実験をする。明らかに容量を超える食材が入っていく。
まるで、四○元ポケットじゃなくて、四次元イルカリュックと名づけよう。
そして、また5階に下りると『きゅい?』とかわいらしく鳴きながら俺を大きな円らな目で見てくる。 俺はその目を見たと同時にイルカをバラバラした。
そしてまた宝箱が出現する。
「ふむ、これはもしかして……瞬殺すればアイテムが出まくる無限ループなのでは?」
ふふふ、また勝ってしまったな。
敗北を知りたい……。
宝箱を開けるとそこには『スカ』と書かれた紙が宝箱の中に入っていた。
……ふむ、どうやらここの迷宮主は俺を怒らせたいようだな……。
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