第150話
「イノン。村の皆には、フェンデイカの村を襲ってきたネレイド公爵軍を敗退させた事と、ガムルを殺した事を伝えてくれ。それとラグルドとヴァルドと言う奴らも何者かに殺されていると言っておいてくれ」
「え?本当ですか?あ、あの……死神四魔将が全部倒されたんで……すか?」
「ああ、よく分からないがそうなるのか?」
なんだよ、死神四魔将って……四天王かよ。
まあいいか。壁を作成するクエストも完了したことだしギルドに報告だけしにいくか。
俺は、広場から移動した後に冒険者ギルド『冒険者が集う場所フェンデイカ支部』に足を踏み入れる。
ギルドの両開きの扉が閉まると。
「おかえりなさい、ユウマ。朝からすごいゴタついているみたいね」
「村の周りの壁を作ったからだな」
俺は冒険者カードを取り出しリネラスに渡す。
「はい、たしかに依頼完了です。金貨5000枚とSランク冒険者達成おめでとう!」
「あまり実感はないな。それと貯金しておいてくれ」
俺の言葉に頷いたリネラスの手元から金貨が入った袋が消える。
「ユウマ。私、どんな壁が出来たか見てないから様子みてきていい?」
俺は頷きながらギルドホール内の椅子に腰掛ける。
「好きにしろ、仕事の出来を確認するのも冒険者ギルドの職員の役目だと思うからな」
「それじゃ行って来るね!」
そう言うと、リネラスが冒険者ギルドの建物の外に出て行った。
「さて、リネラスが戻ってくる前に撤退するとするか」
俺は早々と『冒険者が集う場所フェンデイカ支部』を後にした。
それから数分後、息を切らせたリネラスが戻ってくる。
そして――。
「ユウマ! やりすぎ! 少しは自重してください!って……あれ?」
――と、リネラスが叫んだ先にには、目的の人物であるユウマの姿は無かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます