第94話
「だが、それなら誰と契約するんだ?」
すると俺の言葉に反応したスライムがアリアの足元に近づいていく。
するとウカル司祭様が――。
「もしかしたら妹アリアさんには、テイマーとしての才能があるかもしれません」
そこで俺は、ウラヌス十字軍の司祭が、魔王は魔物を従える力があると言っていた事を思い出しす。
慌ててアリアに近づこうとするとウカル司祭様に腕を掴まれた。
そしてウカル司祭様が、俺以外の誰にも聞かれないほど小さな声で話しかけてきた。
「ユウマ君、妹のアリアさんは、魔王の可能性が高いです。
魔物と意思疎通できるのは、魔王の証です。アリアさんが生まれてからワイバーンを含む魔物の姿を見た事があったと聞いた事がありますが、実害は発生していませんよね?
そしてその魔物が現れた時には、アリアさんかユウマ君がいたと村の人間から聞いています。
私はずっと、どちらかが魔王かと思っていましたが……ようやく、魔物の先ほどの魔物と話しができるという言葉で理解しました」
俺はウカル司祭様の顔を見ると、そこにはいつにもまして真剣なウカル司祭様の表情があった。
「妹のアリアさんは、まだ幼いです。ここはモンスターテイマーとして契約をさせましょう。スライムならだれでも契約できますし魔物と話せるという特異な事であっても、スライムが経由しているという事にすれば……ある程度時間が稼げます。ですからユウマ君、妹のアリアさんには、モンスターテイマーとして振舞ってもらうようにしましょう」
俺はウカル様の提案に頷いた。
そして妹アリアがスライムと主従契約を結んだ。
それから数日後。
スライムは、妹アリアと村に貢献している。
すごい人気で、特に女性達から愛くるしいと評判のようでよく色々と食べ物を貰ってはマッサージをしてるようだ。
まったくうらやまけしからん。
その立ち位置は俺の物だったのに……。
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