第40話
日本だと、分かっているのが1200年くらい前だと言われている。
日本の井戸の歴史は空海が作ったと一部では言われているがそれが本当か定かではない。
俺の知識では、深い井戸を掘るには、技術と経験が必要。
毒なんて放り込まれたら危険な状態になるから、その点も考慮に入れないとダメだな。
「ヤンクルさん、しばらくウラヌス十字軍の動向を見ていてもらえますか?俺は井戸を作ってきますので……」
「分かったが、今日はもう攻めてこないとおもうけどね?」
「いえ、まだわかりませんので、念のため見ておいてください。それと、耳の長い男が弓矢を打つ準備をしたらすぐに壁から離れてください」
俺はヤンクルさんに必要内容だけ伝える。
「それでは村の中央。村長の家の近くに井戸を掘ってきますので何かありましたら教えてください」
俺の言葉にヤンクルさんは頷くと6メートル近い壁を、一度の跳躍で上ってしまった。
「ユウマ君ほどではないけど、私にもこのくらいの芸当は出来るよ」
ヤンクルさんは笑顔で語りかけてきたが、それが出来るってことは城壁も簡単に超えられてしまうのでは?と俺は一瞬冷や汗をかいた。
井戸の場所は、ヤンクルさんに伝えた通り。村の中心部から少し南方であり十字軍より離れた場所の村長の家の隣に掘ることにする。
そして向かう前に教会に立ち寄る。
扉を開けて中に入ると、
「ユウマ君!たいへんだよ!ウラヌス教会のやつらが攻めてきたよ!どうしよう……どうしよう?」
目の前に、めちゃくちゃテンパッってる大人がいた。
「ウカル様、どうして攻めてきているのがウラヌス教会だと?」
俺の言葉にウカル司祭様がこちらへ視線を向けてきた。
目が血走っていて大変怖い。
「そりゃわかるよ!あの頭のおかしいウラヌス教徒だよ?自分の正義のためなら何してもいいとか言っているような悪魔だよ?近くに来ただけで匂いだけで分かるよ!」
「―――そ、そうですか?」
正直、同じような話をウラヌス教会の人間が言っていた記憶があったが、聖女の話しといい、すぐに攻撃を仕掛けてくる聖職者といいまともな奴を見た事がない。
きっと神様パワーぽい何かで察知しているのだろうと納得しておこう。
「そうだよ!それで何の用なんだい?」
ウカル司祭様はようやく落ち着いて俺に話しかけてきた。
「実はですね。ウカル様の村人からの信頼度を上げるいい方法があるんですけど……」
俺の言葉にウカル様の耳がピクリと動いたのを俺は見た。
「ユウマ君、私はね……私利私欲のためにアース教会の神父をしてるわけじゃないんだよ?給料がたくさん貰えるからとか出世がしたいからだとかかわいい奥さんが欲しいからだとかそんな事は一切!私は考えていないんだよ?そんな私に向かって信頼度を上げるだって?」
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