第7話
「……いいけど、どうかしたの?」
俺の言葉を聞いてリリナがモジモジしながら言葉を語ってきた。
「実はね! ……わたしのお父さんに会ってほしいの!」
「わかった!」
「え!? 即答なの?」
いや……だってお前、断ったらすぐ暴力振るってくるじゃん。
と。そんなことを言ったらまた殴られるので。
「もちろん! 幼馴染の頼みを断る男なんていないさ!」
とだけ言っておく。
真実は知らないほうがいいのだ。
ただ、リリナはと言うと、俺の言葉を聞いて顔を真っ赤にしながら瞳を潤ませてながら、『えへへっ』とか言っているが、訂正を入れることはしない。
俺は空気が読める男なのだ。
実は、俺が使う魔法は、ウカル司祭様が使うような魔法とは違い、触媒を必要としない。
俺の魔法に特殊性があった場合、問題になる可能性がある。
そのため俺が魔法を使えると言う事は出来れば誰にも知られたくない。
ただ人に見られずに、魔法の練習が出来る場所と言えば森の中くらいだ。
ただ、猟師でも無い俺が森の中にいると不審に思われる。
だからこそリリナの父親に弟子入りすれば俺が森に入っていてもおかしく思われない。
そして、弟子入りするための口実が欲しかった。
リリナの父親は、元冒険者で魔物や動物を狩る猟師だ。猟師は村長より許可をもらって森の中に入る。
もしリリナの父親の弟子になれれば、元冒険者の知識や狩り方を教えてもらえる。
それに、リリナの父親の代わりに狩猟を任せられれば森の中で動く的を魔法で打つ練習もできるようにもなる。
俺は、いつかリリナの父親にそれを頼みたいと思っていた。
だから、今回のリリナからの申し出はとても助かった。
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