アフターストーリー 由紀と和志の場合① おまけSS

主人公のはずだけどおまけで・・

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<藤原 和志視点>

由紀を映画に誘ってしまった・・・・

前に由紀と出かけたときは普通に映画を見てランチして帰ってきたけど、やっぱり今回は恋人同士になったわけだし俺がリードしなきゃだよな。


ただ。。。 今更ながらに緊張してきた。

とりあえず見る映画は、由紀が見たがってた例のアニメを見に行くとして・・・

映画館では、やつぱり田辺お勧めのカップルシートに座るべきなんだろなぁ~

でも、あのシートさっきネットで調べたけど。メチャクチャ恥ずかしいじゃん。

俺達は田辺や小早川みたいなバカップルじゃないんだぞ。

・・・・ただ、由紀と密着しながら座るとか悪くはない。うん悪くはない。

いいよな恋人同士なんだしな。


映画は2時間だから、その後カフェとかでランチして、オーソドックスだけどショッピングモールを見て回る感じかな。

あ、ゲーセンとか行くのもいいかもな。確か由紀のやつ音ゲー関係好きだったはずだし。一緒に楽しむのもありかな。


来週からは部活も忙しくなるからデートとかもしばらく出来ないだろうし楽しまないとな。

あ、そうだ地区予選。由紀応援とか来てくれるかな。話してみようかな。


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週末土曜日

ふぅ。。。楽しみ過ぎてあんまり眠れなかったな。

例のごとく、家の中をウロウロしていたら妹と母さんに鬱陶しいから早く行けと言われてしまった。

前回同様にだいぶ早いけど30分前に待ち合わせ場所に着いてしまった。

が、気持ちは同じだったのか由紀も待ち合わせ場所のベンチに座って俺の事を待っていてくれた。しかも俺がプレゼントしたカチューシャを付けて。


「プレゼントしたカチューシャつけてきてくれたんだ。

 うん。思った通り凄く似合うし可愛いよ。それにその服も似合ってる」


お世辞抜きに可愛いな。思わず見惚れてしまう。

俺が見たことない服だけど、もしかして今日のために買ったのか?

そんなことを思いつつ俺は由紀の手を差し伸べた。

そんな俺の差し出した手を握り返してくる由紀。

由紀も照れ笑いしているけど、まだ照れるな。


そして映画館。

見る映画は決まっていたから定番のポップコーンとドリンクを買ってチケット売り場へ。俺は勝負を賭けて受付のお姉さんに言った。


「学生2枚。カップルシートでお願いします」


何だか横で由紀があたふたしてるけど、カップルシートの事を知ってるのかな?

そして、受付のお姉さんの一言"カップルの証明をお願いします"

田辺から聞いてはいたけど、ここからが今日の山場だ。

俺は、由紀の方を向いて声を掛けるとそっと抱きしめた。

由紀は耳まで真っ赤にして照れまくってる。多分俺もだ・・・

由紀の体は柔らかく、何だか甘い香りがした。


席に着くとこれも調べた通りで密着度が高い。

横を見るとすぐそばに由紀の顔がある。

さっき由紀を抱きしめたときもシャンプーの香りなのか由紀から甘い香りがして変なテンションになっちゃってたけど、今も距離が近すぎで何だか色々とヤバい。


とりあえず気持ちを落ち着かせるためウーロン茶を飲みつつひたすらポップコーンを食べた。

照明が暗くて由紀の顔色はわからないけど、由紀も同じよう感じなのかポップコーンを食べるペースが速かった(映画の前半で食べ終わっちゃったもんな・・・)


映画を見終えた俺達は映画館脇のカフェに入って映画の感想を話したりこの後の予定を話したりした。

俺自身、少し感情移入して見ちゃってたところがあったけど、由紀も自分に置き換えて見てたらしくて


「そうだね。私はお話が良かったな。お互い好き同士だった2人が、すれ違いとかありながらも付き合う中で更にお互いを好きになってくとか・・・

 何だか私たちみたいだねとか・・・ななんちゃって」


とかおどけながら話してきた。

俺もそれを聞いてテンパっちゃったのか


「お 俺も実はそう思ってた。由紀と俺もこんな感じになれたらなって・・   

 感情移入して見過ぎたかな。うん良い映画だった」


とか言ってしまった。

"こんな感じ"・・・エンディングで幼馴染同士の主人公とヒロインって結婚するんだよな・・・


何だかお互い顔を見合わせ笑ってしまった。


その後、予定していた通り一緒にショッピングモールを周り洋服や雑貨を見たりゲーセンで遊んだりして楽しい1日を過ごした。


恋人同士のデートってこんな感じで良かったんだろうか?


あ、地区予選は由紀も応援に来てくれるそうだ。

田辺たちには悪いけど、ますます負けられないな!





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