アフターストーリー

アフターストーリー 由紀と和志の場合① -映画デート-

2章用として途中まで書いていた甘いお話です(付き合い始めてからの内容に加筆修正しています)

ちなみに本作の後2:00予定でアップする"7年目の約束"123話にも由紀が登場します。よろしければそちらも是非

*********************************

<森田 由紀視点>


ついに和君と付き合うことになった!


小さい頃からずっと一緒に居たし、もしかしたら会う回数とかはあんまり変わらないかもしれないけど、お互い"恋人"って意識するとやっぱり感じ方も違うよね。この間は何もなかったけど観覧車とか乗ったら・・・やっぱりキスとかしちゃったりするのかな。だって恋人同士なんだもんね。いいんだよね。

恵ちゃんとかは、笹原君ともっと色々としてそうだけど私達はまだこれからなんだし焦らず・・・うぅでもやっぱりイチャイチャしたいな。

とりあえずは恵ちゃんからの情報入手かな。

でも和君はどう思ってるんだろ。もしかして私だけテンション高いのかな。

と1人ベッドの上で妄想に耽ってバタバタしていると私の気持ちを察したかのようなタイミングで和君からメッセージが届いた。


[今大丈夫?]

[うん大丈夫だよ]

[今日の怪我、大丈夫か?包帯とかして結構痛そうだったけど]


和君心配してくれてるんだ。

何だか嬉しいな。


[うん。擦り傷と打撲だけど痛みはそんなにないし大丈夫だよ!]

[そか。良かった。俺も気が動転してて怪我の事とかあんまり聞けなかったから]

[心配してくれてありがとね]

[由紀の彼氏になったんだし心配はするさ]


♡和君が自分で"由紀の彼氏って"!!!!

もうこのメッセージはスクショしておかないと!

と とりあえず返信しなきゃ!


[ありがとう!凄く嬉しい]

[どういたしまして。それより今週末時間あるか?怪我とか大丈夫なら映画でも行かないか?]


え?も もしかしてデートのお誘いなの。

この間リバーランドに誘ってくれた時も驚いたけど和君が凄く積極的だよ~。

どうしよう。何着てけばいいかな。

一緒に映画に行ったことは何度もあるけど今回は"彼女"としていくんだもんね。


[もしかして予定とか入ってたかな?]

[な 無いです。全然暇です。1日空いてるから絶対行きます!!]

[お おう 良かった。じゃ土曜の10時にこの間と同じ駅前でいいかな]

[うん。楽しみにしてるね!]


あ、危ない返事し忘れるところだった。

でも和君と映画かぁ~楽しみだなぁ~


-----------------

そして、週末土曜日。

今日は和君との映画デートだ。

いい加減慣れなきゃとは思うんだけど昨日も嬉しくてあんまり眠れなかった。

恵ちゃんと夏川さんに付き合ってもらって放課後に可愛い服も買いに行ったし・・・髪には誕生日に和君に貰ったカチューシャを付けた。

そう。聞いていたネックレスはじゃなかったんだけど、私に似合いそうだからってカチューシャをプレゼントしてくれたんだよね。あの件の後だったし凄く嬉しかった。和君似合うって言ってくれるかな。


前回と同様に駅前で待ち合わせ。

・・・今日もまた2人して30分前に来てしまった。

もう笑うしかない。

いっそのこと待ち合わせ時間を30分前でいいんじゃないとか思ったりしたけど、そうすると、きっと更に30分前に来ちゃんだよね。

でも・・・和君ももしかしたら私と同じ気持ちだったのかな。


「プレゼントしたカチューシャつけてきてくれたんだ。

 うん。思った通り凄く似合うし可愛いよ。それにその服も似合ってる」

「あ ありがとう。今日の和君もカッコイイよ!」


ふふ。似合うし可愛いって・・・サラッと言うんだもんな和君。

それに今日の和君もカッコイイ。

和君って背も高いし成績も良いし、優しくてカッコよくて・・・良いのかな私でとかつい思っちゃう。


そんなことを思いながら仲良く手を繋いで隣町のショッピングモールへ。

電車で1駅。今日も和君から手を繋いでくれた。


-----------------

今日見る映画は最近CMとかでも話題になっているアニメ作品だ。

前に和君とテレビCMを見て面白そうだねって話してたんだ。

その時は誘ってくるとか思ってなかったけど、この映画気になってたんだよね。

幼馴染の2人が親の転勤で離れ離れになるんだけど高校で偶然再会して・・ってお話。漫画とかでありがちな話だけど"幼馴染"ってところと"ハッピーエンド"ってところに2人して食いついてしまい。

幼馴染との恋は成就しないとか最近よく言われてるから・・・


そんなことを思いつつ、お約束のポップコーンとジュースを買って私達はチケット売り場へ。

そこで和君がやってくれました!


「学生2枚。カップルシートでお願いします」


え!和君 躊躇なしにカップルシート?

どんなのか知ってるの?ただの割引で座れる2人掛けシートじゃないんだよこれ?

2人の距離感縮めちゃうイチャイチャシートなんだよ!(恵ちゃん情報)

と1人慌てていると受付のお姉さんがカップルの証明をお願いしますって言ってきた。『え?何すればいいの?証明って?』と私は頭が真っ白になってたんだけど・・・和君は私をそっと抱きしめてくれた。

『何?どうしたの和君?今なにしたの?』

多分私は耳まで真っ赤になってたと思う。

和君に抱きしめられたい。キスされたいとか思ってたけど実際に抱きしめられたら、もう一杯一杯になってしまった。


ボーっとしたままの私は、その後座ったカップルシートでも和君と肩を寄せ合うような距離で座ることとなり、終始緊張してたので正直映画の内容よりも和君が気になってました。


そして、映画を見終えた私達は、映画館のすぐ横にあるカフェに入って映画について色々話をした。平静をよそってるけど正直まだ心臓がドキドキしてる。


「話題作ってだけあって見ごたえがあったな。ストーリーも良かったけど映像や音楽も凝ってて見ごたえあったと思う」

「そうだね。私はお話が良かったな。お互い好き同士だった2人が、すれ違いとかありながらも付き合う中で更にお互いを好きになってくとか・・・

 何だか私たちみたいだねとか・・・ななんちゃって」


い言っちゃった。ちょっとおどけてみたけど調子に乗り過ぎちゃったかな・・・

と照れながら和君を見ると和君も照れてるのか少し顔を赤くしながら返事をくれた。


「お 俺も実はそう思ってた。由紀と俺もこんな感じになれたらなって・・   

 感情移入して見過ぎたかな。うん良い映画だった」

「そ そうだね良い映画だったね」


何だか和君の目が見れないよ!

”こんな感じになれたらなって”

映画の最後・・・・結婚式のシーンだったんだよね。。。。


その後しばらく無言の時間が続きました。

うん良い映画でした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る