第15話 お弁当効果?

-Side 森田 由紀-


[こんばんわ。今いいかな]

[ああ 大丈夫だよ]

[あのさ、明日のお昼だけど和君の分もお弁当作ってったら食べてくれる?]

[え?由紀がお弁当を?そんなに料理の腕あがったのか?]

[あんまり期待させちゃうとだけど、、、、何とか食べれるかなくらいのお弁当作れるようにはなったよ]

[そうか。俺のためにありがとうな。食べさせてもらうよ]

[本当!じゃ明日頑張るから絶対食べてね!]

[あぁよろしくな]


よし!言えた。頑張った私!

夜遅い時間だったし寝ちゃったかなとも思ったけどライン見てくれた。

まだまだレパートリーは少ないから毎日は無理かもしれないし、味も微妙かもしれないけど、私だってやれば出来るんだから!


とりあえず、煮物とか作り置きできるものは今日のうちに作って明日の朝はなるべく時間かけずに済むようにしなくちゃね。


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翌朝。準備したおかずをお弁当箱に詰めて和君の家へ。

我ながら初めてのお弁当にしてはよく出来たと思う。


「おはよう!」

「あ あぁおはよう。朝から元気いいなぁ」

「うん。元気が良いのが取り柄だからね。

 後・・・お お弁当頑張ったからお昼よろしくね」

「あぁ楽しみにしてるよ。じゃ行こうか」


楽しみにしてるとか言われちゃった。

って何だか自分でハードル上げちゃってないかな。

美味しく出来たか凄く不安なんだけど・・・


お昼の事を考え何だか緊張しながらも午前中の授業を無事に終え、和君達の教室にお弁当を持っていく。

と、和君はクラスの女の子と何やら楽し気に話をしていた・・・・

うぅ~何だか私の和君がぁって感じだけど、ここは我慢しなくちゃだね。

私も今は"友達"の1人なんだし、仮に彼女だとしても和君にだって当然私以外の女友達は居てもいいわけなんだよね・・・・

でもこんな事考えちゃうなんて、私って思った以上に束縛系?独占欲が強いのかなぁ。あんまり束縛したり嫉妬するのって男の子は嫌がるよね。

などと思いながら教室の入り口で和君達の話が終わるのを待っていると、私に気が付いた和君が話を終わらせて来てくれた。


「来てるなら声掛けてくれればいいのに」

「うん。でも和君クラスの子たちと楽しそうに話ししてたから」

「気を使ってくれたんだね。ありがとう。

 で、何処で食べる?天気もいいし中庭にでも行くか?」

「う うん。中庭に行こ!」


中庭って、カップル御用達のランチスポットだよね。

前までは教室か学食で食べてたけど、もしかして和君も意識してくれてるのかな。


中庭は各学年の教室がある1号棟と特別室や職員室、食堂等がある2号棟との間にある緑地スペースで、公園の様に噴水やベンチがある。

昼休みは、お昼を食べにくる生徒も多いわけだけどカップル率が高い!

そのため、別名『リア充の森』とも呼ばれている。

前から和君と行けたらなとか思ってたけどまさか誘ってくれるとは・・・・


「この辺りでいいかな」

「うん」


ちょうど、校舎寄りのベンチが1つ空いていたので、私と和君はそこに座りお弁当を広げた。

何だか緊張するな・・・・それに周りはカップル(それもイチャついてる)ばかりだし。


「おっ!おいしそうだな。作るの大変だっただろ」

「ううん。でも煮物とかは昨日のうちに作っておいたから」


今日のお弁当はお母さんに教えてもらった筑前煮とお姉ちゃんに教えてもらった肉団子がメインのおかず。

それにレタスとブロッコリー、彩りにプチトマトとゆで卵を入れてある。

筑前煮は地味だけど和君って確か和食が好きだったはずだから喜んでくれるはず!


「ど どうかな?」

「うん 味が良くしみてて美味しいよ。料理とか全然だめだったのに凄いな」

「へへ 和君に喜んでもらいたくてお母さんやお姉ちゃんに教えてもらったんだ。

まだまだレパートリー少ないけどまたお弁当作ってあげるから食べてね!」

「あぁ頼むな」


やった!和君喜んでくれた。

お母さんの言う通りまずは胃袋掴むところからだよね。

でも・・・本当はもっと前にこういう事してあげてたら、和君も私も変に不安に思ったりすることも無かったんよねきっと。

少し遅いかもだけどこれからは和君に告白してもらえるくらいのいい女になるんだ!

と、私の中で決意表明をしていると和君が何だか少し照れながら話しかけてきてくれた。


「あのさ・・・今週末時間あるかな?」

「え?今週末?うん。特に用事無いし多分家にいるけど」

「弁当のお礼ってわけでもないんだけど、隣町のリバーランドに・・・そのチケットがあるんだけど一緒に行かないか?」

「ふぇ?・・・・あ あの そ それってもしかしてデート? いいの?私で?」

「あぁ 昨日由紀がお弁当作ってくれるっていうの聞いて俺も考えたんだ。

お互い恋人同士みたいに思ってたはずなのに何だかこういうデートっぽいの俺も誘った事あんまりなかったよなって。だから嫌じゃなかったらでいいんだけど」

「い 行きます!行く!絶対行く!もう約束しちゃったからね!!」


何だか食い気味に返事してしまった。

今更"やっぱなし"とか言わせないんだからw


「お おぅ ありがとな。じゃ川野辺の駅前で待ち合わせでいいか?オープンが10時だから9時半くらいに改札前で」

「うん!楽しみにしてるね」


小さい頃から和君と2人きりで出掛けたことは何回もあるけど、買い物やコンサートとかのイベントばかりで、言われた通り遊園地とかのデートスポットは行った事なかったかも。

それに・・・今の時期は夕方からイルミネーションイベントもやってるはずで、デートスポットとしても最近人気になってるはず。もしかして和君それで?


どうしよう楽しみすぎる‼︎

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