閑話① ある日の話
あまり本編と関係無いですが、、、
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-Side 横田 睦月-
「それじゃ 川野辺高校戦の勝利を祝してカンパーーイ」
「「カンパーーイ」」
川野辺駅近くのカラオケ店。
今日は1勝1敗で迎えた川野辺高校との3度目の練習試合だった。
そして見事男女共に俺たちの勝利!
という事で帰宅前に笹原たちと祝勝会をしている。
「今回の試合は藤原がMVPだな」
「そうだな。俺より得点入れたしな」
「はは 前回迷惑かけたからこれでチャラにしてくれ」
そう。今回の試合は前回のミスを取り戻すかの如く藤原が大活躍だった。
川野辺は清水、田辺、福島を中心とした攻撃速攻型のチームだが、その攻撃を抑え、尚且つ攻撃でも活躍した。
守りはまだ隙もあるし川野辺のバスケ部には悪いが、今の調子でいけば冬は俺達が全国だな。
「でも、横田が居るのはまだしも、夏川がこういう集まりに来るのって珍しいな」
「そういえばそうだな」
と笹原と藤原。
"祝勝会"とは言っているが、まぁ内情は仲間内でカラオケに来ただけで、笹原と日岡、それに藤原と森田のおなじみメンバに俺と夏川が混ざった形だ。
俺は時々気分転換に顔は出してたけど、夏川は珍しいのか?
「夏川は、横田君が居るから来たんだもんね~」
「へ?俺が居るから?」
変な声を出してしまった・・・
何それ日岡。その言い方って夏川が俺に気があるみたいじゃん。
「ちょ 恵!何でそれ言うのよ!」
顔を赤くしてる夏川。
って否定しないのか?だとするとそれって・・・
「おっそれって夏川もしかして・・・」
「そうなの夏川さん!」
「二人ともバスケに対してストイックな点は共通してるしなぁ」
と笹原に森田に藤原。おいおい煽るなよ。
「えっと、その・・・よ 横田君とはあんまり話とかする機会がなかったから
恵に今日横田君が来るって聞いて、少し話とかしてみたいなと思っただけだよ」
「ほうほう 少し話しという割には凄く楽しそうに髪型とかチェックしてたよねぇ」
「だ、だから恵!そういう事言わないでって!」
何だか慌ててる夏川って珍しいな。
でもちょっと可愛いかも。
「で、横田はどうなんだよ。バスケ部というか学年で人気の夏川だぜ」
「そ そりゃ嬉しいに決まってるだろ。夏川は普通に可愛いしバスケも上手いしな。むしろ俺みたいなのには勿体ないし、勘違いしちゃかわいそうだろ」
「か 可愛い・・・って私?」(そういうの普通に言うから・・)
ほんとだよな。変に煽っちゃ夏川に悪いだろ。
俺はバスケしか取り柄が無いけど、夏川は成績も優秀だしスポーツ全般なんでも出来るし、性格も良くて男女双方から人気がある美少女だ。普通に考えて俺を好きとかそんなこと無いだろ。
「そ そんなこと無いよ。横田君って朝練の前に自主練するとか凄くバスケへの取り組み真面目だし、性格も誠実そうだし、それにさっきの川野辺戦も・・・凄くカッコよかったし・・・」
何それ。もしかして、そんなことがあるのか?
「おっ夏川言うねえ。そうだ横田は一見バスケバカだけどいい奴だ!夏川は人を見る目があるぜ」
何だよ笹原。お前それ褒めてるの?バスケバカとか馬鹿にしてるの?
と、デンモクを持った森田が話に割り込んできた。
「ねぇねぇ デュエットの曲入れたからとりあえず夏川さんと横田君で歌ってよ♪」
をぃ森田!無茶ブリするなって
『え?夏川マイク貰ってるけど歌う気なの?』
って俺に1本マイク渡そうと・・・
「横田君 一緒に歌・・・いいかな?」
ちょっと緊張のせいか頬を赤くした夏川。
そんな顔で言われたら断れるわけないじゃん。
という事で歌いましたよ。最近流行りのラブソングを二人で。
夏川 歌も上手いとか完璧すぎるんだけど。
良いのか一緒に歌うの俺で。
その後は、皆でピザやパスタを食べながらのカラオケ祭り。
大声で歌うと気分がすっきりするなほんと。
そして、そろそろお開きの時間。
夏川が俺に話しかけてきた。
「結局、歌うたって終わっちゃったね」
「ま まぁカラオケに来たんだしな」
「そうだね。でも最初に言ったことは本当だよ」
「最初に言ったこと?」
「横田君が居るから来たってとこだよ」
「え?」
「今日は時間も遅くなっちゃったけど、今度ゆっくり話とかしたいな。駄目?」
と言いながら可愛い笑顔で見つめてくる夏川。
まじっすか・・・俺にモテキでも来たのか?
「も もちろん。全然構わないぞ」
「ほんと!じゃ今度一緒にカフェとか行ってお話ししよ!約束だよ!」
「あ あぁ」
ってなんだよみんな。カラオケなんだから歌おうぜ。
いつの間にやら歌も歌わず俺たちを眺めてニヤニヤしている4人。
しばらくネタにされそうだなこれ・・・
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