N回目の時間跳躍
そうしたアイディアのなか、「世界平和理論」というものがありました。
この理論は実に悪魔的でした。
世界は「賢職者」というかしこい人々のリーダーシップのもと、おおきく変貌していきました。「問題や課題」とされてきたことが徐々になくなっていき、世界は不安定ではありながら、絶妙なバランスで「平和」状態となりました。
そして、平和が続き、1000年後、世界には「問題」がなくなってしまったのです。
え、私?私は、ぱくりアイディアの「不老不死細胞」「記憶の結晶成分の抽出」の開発に成功していたので。開発者はもちろん、こちらの陣営に取り込みましたよ。「遺伝子」ごとね。
ま、そんなことより、「問題」がなくなったとき人間はどうなると思います?
「解決策」を疑うようになるのです。もっと、いいアイディアはなかったのか?
そして、それは、「あのとき、ああすれば」という後悔につながる。
ここで、私は何回も時間跳躍を経験して、それとなく、その時のリーダーに「シンパシー」を送ってあげました。
結果として、紆余曲折はありましたが、もっとも最短期間でもっとも確からしい「正解」な世界にたどりつきました。
だれもが「確からしい」「正しい」と認めたものは「ほかのだれか」にも認めてほしい、そうその時のリーダーたちは考えたのでしょうか、今度は「地球外知的生命体」との交流をはじめ、その星々の「問題」を解決し始めました。
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