SSR クラスシステム その2
クラス。それは世界観によって様々な扱いをされるものである。
ゲームで多いのは、キャラクターを作成できるタイプのゲームでの能力による役割分けだろうか。
いわゆる現在のRPGの形の祖にあたるゲームから
創作物では、神から与えられた恩寵などの形でクラスが表現されていることがある。
また何らかの遺物から与えられた力の場合も存在する。
今回はそのクラスをいじってみる話だ。
兄が色々いじくり回した結果、クリスタルを粉末状にして飲ませることでいつでも好きなときにクラスを切り替えられる事がわかった。
……いや、いきなりメチャクチャなことしていてドン引きするんですけど?
というのもいつもの
流石にごくわずかを舐め取っただけではあるが……。
ウインドウは使用者本人にしか見えないから問題ないだとか、少しだけだから大丈夫だとか、そういう言い訳を重ねる兄に呆れる。
なんで危険だと思わなかったのか。
まあ兄だからなぁ。
そんな状態で兄はクラスシステムをいじくり回していた。
それで分かったことが三つ。
一つはクラスを獲得するとクラスに沿った身体能力と特殊能力が手に入ること。
戦士なら力が強くなって体が頑丈になる。
二つは一人に一つのクラスしか獲得できないこと。
他のクラスが欲しければ今持っているクラスを外す必要がある。
三つは特殊なクラスを獲得するには条件を満たしている必要があること。
これまで何をしてきたかが参照されるらしく、高度な魔法制御を覚えている私には高ランクの魔法使いのクラスが開放されていた。
ついでにいうとノーライフキングのクラスもあったのでいつでもアンデッド化できる。
で、そういうメチャクチャドン引きなことをしながら調査していた兄が最終的に獲得したクラスは……【
超サメ。
うん、何言ってんだ。
複数の強力なサメを従えた者にだけつける特殊なクラスであり、その主だった能力は自身含む味方のサメの能力の100%強化だ。
……100%?
クラス補正でだいぶ能力上がってるのに?
完全にぶっ壊れた能力だが、クラスを獲得可能にする条件もやたら厳しいようである。
現に私のクラスリストには載っていない。
……というかこれ、本来サメ類が使用するクラスじゃない?
人間が使用するものではなくない?
絶対違うよね?
そう思ってたら《完全鮫化》とかいうスキルの効果でサメに変身しだした。
それも8本の触腕を持ち、二つの頭を持ち竜巻を纏ったサメに。
何だこいつ……。
後日。兄が液体経験値を使ってクラスのレベルを上げていた。
そう、クラスにもレベルがあったのだ。
いや、無いほうが変ではある。
ゲームシステムのようなものであるなら当然その能力の多寡を表すのに、そして成長を行うのにレベルのようなものは必要だ。
ああそれ使えるんだ……。
明らかに別システムの物のはずなのだが。
というかどうやってクラスと兄本体との経験値分配をしているのかよくわからない。
あとさぁ。
コップ一杯飲むだけで二桁レベル上がってるのなに?
明らかに上昇量がおかしい。
そんなもりっと増えるもんだっけ!?
明らかに仕様の違うものを強引につないでいるような気がする……。
まあクラスを持たない人間を超人に進化させるような液体だ。
クラスという器に注げばおかしな増え方をしてもおかしくはない……か……?
そう思っていたら、コップ2杯目で兄のクラスレベルはカンストした。
それ以上上がらないことを示すように、クリスタルで確認できる次のレベルまでの経験値表示が無くなっている。
やっぱこれおかしいって!
普通に飲んでもこんな勢いでレベル上がらなかっただろ!?
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