R 食品サンプル
食品サンプル。読んで字のごとく、食品のサンプルである。
主に飲食店などの店頭に、提供可能な料理のサンプルとして配置されている。
この食品サンプル、ロウのような素材から手作業で作られているため非常に手間がかかっているのだ。
また食品の質感を再現するために様々な職人技が使われている。
今回はその食品サンプルが出てきた話だ。
あんまり瘴気が濃すぎてどうしようもないので、兄は機神の機能を使って対瘴気装備を作成していた。
装備効果を優先して装備していた
で、最初に出てきたのは……宇宙服のようなものだった。
まあ気密を重視して用意した服となるとそうなるのは必然と言えるが、これでは戦闘行動はほとんど不可能である。
というのも、それを使って高濃度地帯に突入することでデータを集める予定のようなのだ。
服が少しでもダメージを受けたら強制送還する形で。
機神という存在にとって情報は多ければ多いほどいい。
人類を遥かに超越した頭脳は適切な情報さえあれば十分な対策を打ち出せる。
人類のようにイデオロギーや思い込み、誤情報に囚われることがない。
でもまぁ……邪神の心臓を調べてもわからないところが多かったのも事実。
この装備での調査で本当に情報が集まればいいが。
さて、私はガチャでも回すか。
R・食品サンプル
出現したのは食品サンプルだった。
それもナポリタンスパゲッティにラーメン、寿司といった様々な食品サンプルがまとめて出現している。
また、どれもこれもクオリティが高く……本物の食品のようだ。
触ってみれば違うとわかるが。
こういう、飾って使うものが出てくると困る。
いや、どの景品も困りはするのだが、使い方がわかっていれば少しぐらいどう使えば試せるかがわかるので多少楽というか。
置物はもう、置いておくぐらいしか使い道がわからない。
ましてこれは食品サンプルだ。
一般のご家庭で何に使うんだよ。
ままごとか?
わ、わかんねえ……。
ついてる箸は固定されているし、ラーメンのスープも完全に固まっている。
どこかが可動してなにかが出てくるとかそういうわけでもなさそうだ。
継ぎ目もないしな。
全然わからん……。
後日。兄が食品サンプルを貪り食っていた。
は?
いや、は?
なに食品サンプル食ってんの!? と声をかけた瞬間、食品サンプルは兄の歯を通さなくなる。
は?
食品サンプルは兄の食べ残しの形に変化している。
半端に食い込んだ箸はてこでも動かないと言った具合だ。
え、もしかして。
食品サンプルと認識していない間は、食べ物として食べられる……?
いやいや、そんな。
食品サンプルだろ!
なんで食える様になってんだ!
意味わかんねえだろ!
なお食った兄は特に不調はなかった。
お尻から固形物が出てくることもなかった。
食べた分は食べ物扱いなのね……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます