R 桜吹雪
桜。日本の代表的な季節の花で、春に満開になるピンク色の花弁が美しい植物だ。
接ぎ木によって繁殖されているため、非常に病気に弱く枝が折れるなどのきっかけがあるとすぐに傷んでしまう。
また花がすぐ散ってしまうため風が吹くとその花弁が宙を舞うさまはとても美しい。
今回はその……桜……? が出てきた話だ。
もくもくと瘴気を吐き出す洞穴を複数発見した。
それはいくつか見つかっており、そのどれもが……ただそれだけで地獄のような濃度の瘴気を吐き出しているのだ。
いや、洞穴っていうか地面に空いた穴っていうべきものも結構あるが。
もう、瘴気が濃すぎて視界が機能していない。
赤外線センサーなんかも併用しているが、それすらも通さないためもう視界に頼って移動するのは無理なのではという結論に至りつつある。
幸い、空間を少し曲げて周囲の重力を図るとかいう、あまりにも超常すぎる方法で周囲の地形は把握できている。
周囲に存在するものの質量を把握する機能であるため、よっぽどのことがない限りごまかされない非常に優秀な方法だ。
超常的すぎるが。
魔法で実現しているので私も使える。
最もそれでも探知出来る範囲はそんなに広くないので、やはりその穴に踏み込む必要があるのだが……。
瘴気が濃すぎて
機械生命体なのに筋弛緩状態になったり、酩酊状態になったりするのだ。
そういう生命の壁を曖昧にしてしまうのも霧の効果と言える。
結構厄介だぞ……。
これ以上濃い場所があると
変質した
わからない。
そもそも単独でも洒落にならないぐらい強い
うーん、厄介。
とりあえずこの件は置いておいて、ガチャを回そう。
R・桜吹雪
出現したのは……出現したのは……。
なにか、桜吹雪が舞っている空間、だった。
いや、なにかこう、バレーボールくらいの大きさの空間の中に桜吹雪が舞っているのだ。
膜のようなものはなく、本当にその空間に桜の花弁が飛んでいるだけ。
その空間から出た花弁は溶けるように消え、またどこかから吹き込まれるように空間内に現れる。
……んんんん?
これ、もしかして……。
そう思って、その空間にずんむ、と手を突っ込む。
若干粘っこい空気に触れている感じがして、それは私の手にまとわりついた。
私が手を振るとその軌跡に沿って桜吹雪が舞う。
激しく振れば振るほど、派手に大きく。
……。
これ発光エフェクトの同類じゃねえか!
また変なエフェクト増やしやがって!
後日。兄が妖刀「鏡写し」に桜吹雪のエフェクトをくっつけていた。
刀の軌跡に沿って舞う桜吹雪は美しく……ぶっちゃけ現実離れしすぎていてCG映画のようである。
ただ、そこで終わればよかったのだが。
テンションの上がりすぎた兄は、そのまま体を深く沈めた居合のポーズを取り。
「コォォォォ」と喉の奥からひねり出したような音を立て。
ほとんど瞬間移動のような速度で、前に踏み込み、すれ違いざまに的代わりの木材を切断した。
10メートルほどを一瞬で詰めすれ違いざまに一閃……居合斬りをしたのである。
その区間には残滓として桜吹雪が舞っていて、見た目は良いのだが。
兄がもともと立っていた場所には音速の壁を超えた瞬間に発生する輪っか状の雲が出来ている上。
その無茶な挙動をしたせいで兄がダメージを受けていた。
高レベル由来の訳解んない耐久力のおかげで、骨折のような負傷は無いみたいだが……。
漫画の技だろうと再現できちゃう妖刀でしたらそりゃそうなるだろ!
レベルが上ってなかったら死んでたぞ兄ィ!
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