R チャージングハンドル
奴隷が回すアレ。仕掛けにつながった動力として、石臼のような形状のものに棒がついたものを奴隷が押す、というなんというか……映画でしか見たことがない代物のことである。
近いものはガレオン船の錨を上げ下ろしするのに使うものだろうか。
まあ無益な労働のアイコンとして使われがち……だろう。
多分。
今回はその奴隷が回すあれにしか見えないやつが出た話だ。
最近のニュースは宇宙エレベーターのことと国連の動向ばかりだ。
まあそうなるのは仕方ないとして。
気になるのは各国の動きである。
特に中国。
あの国が一番工作員送り込んでくる率が高いんだよ。
アメリカも似たようなものだが、アメリカはとにかく情報を集めて交渉を有利に進めたいという意図がある動きでわかりやすい。
まあ機神のセキュリティはただの人間には抜けんのだが。
中国は……まあ本当にわからん。
物資を強奪しようとするのは序の口で、まだ立ち入り禁止にしてある区域に強引に踏み入って消息不明になったヤツやら、魔法を駆使して侵入したはいいがダンジョン化した森に迷い込んだせいでいまだに出られないヤツやら。
あとはなんらかの政治意図を持って問題起こす奴ら。
何を目的としてるのかはわからんが治安が悪くなるのでやめてほしい。
あと賄賂もやめろ。
日本は……目立つ動きは沖縄開発だろうか。
貿易拠点にしようとしている。
宇宙エレベーターは人工島な関係で、そんなにでかい船を止められないのもあって、沖縄の貿易拠点化はかなりでかいだろう。
あと水面下だと防衛関係の協定を結ぼうと交渉が来ていたりする。
不可侵条約とかそういうやつだな。
まあ目と鼻の先に超科学大国(推定)が出現したらまあ、そういう条約がなければ安心できない。
うーん……国際情勢は……手に余るな!
機神の実質的な未来予知がなきゃ兄に対処は出来なかっただろうなぁ。
機神サマサマなり。
さて、私はガチャでも回そう。
R・チャージングハンドル
出現したのは、土台に輪っか状のパーツが乗せられ、その周囲に棒が突き出した……奴隷が回すアレに見えるものだった。
テーブルに乗る程度の大きさだが……何だこれは。
土台には黄色と黒の警告色で彩られており、持ち手と思しき棒の端には赤いランプがついている。
えっ……マジでなにこれ。
この持ち手のような棒は押すと回る。
そして、赤いランプが点灯する。
それだけだ。
見た目よりも軽い力で回せるが、それがどういう意味を持つのかさっぱりわからない。
チャージングって書いてるからぜんまい仕掛けで逆回転でもするのかと思ったが、勢いよく回してもまるでハンドスピナーのように回るだけだ。
本当に……なんだこれ!?
後日。兄がバカみたいに勢いよく回していた。
回転させているチャージングハンドルの脇に、スマホを置いた状態でだ。
そのバカみたいな行動を取っている理由が、そのスマホだった。
兄が回すたびに、スマホの充電マークが点灯したり途切れたりするのだ。
えっ、それ発電装置なの……?
しかもなぜか無線給電している。
訳わかんねえ。
あまりにもくだらないその装置にあきれていると、兄は私的なバーベキュー用の石窯の横にチャージングハンドルをくっつけて、回し始めた。
すると、薪もないのに火が起こる。
その火は回転に合わせて強くなったり弱くなったりしているのだ。
えええ……。
なんで気がついたんだその機能に。
そしてチャージングハンドルを背中に背負って
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