第70話 時のダンジョン攻略中

 まず、空腹感を感じず、まず、疲労感を感じない。

 どうやら時のダンジョンでは、空腹と疲労の時間が停止してしまい、体に影響がないようだ。

 

 大きな看板が入り口の目の前にあった。

 壁自体がダンジョンのワープポイントであり、その中には通路がある。

 そこの途中で、看板があり。


【復活ポイント】


 と書かれてある。

 つまり時のダンジョンとは何度でも死ぬことが許される空間である事が判明する。 

 それは僕にとってうれしい誤算ではあったが。


 そこには空腹と疲労も無くなると書かれてあった。

 その通路を抜けると、巨大な広間に到達した。


 四方を取り囲むダンジョンの壁は、とてつもなく巨大で、天井はとてつもなく高い。

 

 ダンジョンのイメージでは小さな部屋が沢山あって、1つ1つクリアしていくイメージがあった。


 それは違っており、僕の世界で流行ったオープンワールドがダンジョンの中に広がっているという感じだ。


 沢山の家やらマンションみたいなものが、所せましとあり、まるで時のダンジョンの王国かと勘違いしてしまいそうな雰囲気でもあった。


 風すらなく、それは建物の中だから仕方がないが。

 辺りを見渡すと、そこら中に巨大なモンスターばかりがいる。

 確かに普通の装備では殺す事は出来ないだろうなぁ。


 巨大なスライム、巨大なゴブリン、巨大なオーガ、巨大なゴーレム。巨大なミノタウロス。


 この中でダンジョンらしいモンスターはミノタウロスくらいだ。 

 昔何かの物語で迷宮を守り続けるミノタウロスの話を聞いた事がある。


 確かギリシャかどこかの英雄が倒したという記憶はあるが。


 そのモンスターが所々を悠然と闊歩している。

 僕はビビる事はせず。


 にやりとほくそ笑む。


 あいつらの表情や動きを見れば、同じ所ばかり歩いている。

 知性の欠片もない。


 まるでダンジョンの守護者として侵入者を倒す為だけに存在するもの。


 巨大スライムがこちらを発見した。

 

 巨大スライムの大きさは僕の10倍はあるだろう、

 どこかの怪獣映画かよと突っ込みたくなる。


 スライムにはハンドガンもマシンガンも通用しないだろう、

 なので、バズーカーを装備すると、


 にやりとほくそ笑む。


「あばよ」


 格好つけてみたけど、ちょっと恥ずかしい、周りに仲間がいなくて良かった。


 巨大スライムがこちらにぬるぬると迫ってくる。

 僕のバズーカーが飛来の弾が飛来する。

 四方に散る沢山のBB弾はまるで爆風を起こすように爆発する。

 巨大スライムは訳が分からず。消滅する。


 そこにはアイテムがころりと転がっている。


 どうやらモンスターを倒したらアイテムが出現するという原理はダンジョンの外と同じ効果があるようだ。


 アイテムは【スライムジュース】という瓶に入った訳のわからないアイテムであった。


 とりあえずアイテムボックス代わりに現在使用しているミニチュアボックスにしまっておく、

 フェイブマックスと武装車両は村に置いてきているので、使用できない。

 それにダンジョンの中では狭くて使用が無理だと思っていた。

 この巨大なオープンワールドのようなダンジョン世界なら武装車両くらいは持ってきてもいい気がしていた。



 次は巨大ゴブリンが10体で迫ってくる。

 僕はにやりと鼻を右手で擦ると。


「こういう時はマシンガンだぜぃいいい」


 僕は棒映画のセリフを真似てみせながら、

 マシンガンをぶっ放す。

 白くて小さなBB弾が四方をぶち抜く、ゴブリンの体を貫き、まるで小さなブラックホールの道を作るように、ゴブリン達の体は穴だらけになってしまう。



 ゴブリン達は悲鳴をあげる。

 また10体増加したので、またマシンガンをぶっ放す。


 次から次へとゴブリンたちが消滅していく、あっという間にゴブリンが全滅すると。

 そこら中に落ちているアイテムを拾うことに。


【ゴブリンの人形×20個】また訳の分からないアイテムが出てきた。

 

 僕はゴブリンの人形の使い方などを知りたいと思いつつ、ミニチュアボックスに仕舞う事にした。

 ゴブリンの人形はドワーフくらいの大きさがあるので、持ち運ぶことは巨人でない限り無理だろう。


 オープンワールドの空間を歩き続ける。


 すると宝箱を見つけた。

 宝箱の上に何かホログラムみたいなものが出現している。この世界の人で言う所の幻覚魔法みたいなものなのだろう。


 僕は地図のマークが書かれてあるホログラムを見つめつつ、推論をあげる。これは恐らく地図だ。


 という事で僕は宝箱を容赦もなく開ける事とした。

 中から出てきたのは、地図そのものであり、僕はそれを広げる事に成功した。


「なるほど、このオープンワールドダンジョンでは、少しずつ斜めに下方へと下っていくようだ。最下層に向かう階段とかはなく、巨大な宝のマークがゴールか」


 そこで何が僕の事を待っているのか、僕はワクワクしてきたのであった。


 地図には沢山のモンスター達が歩く姿が描かれている。

 まるで某映画の魔法地図そのものであったが、だが僕はあえてモンスター達を倒しまくる。


 弾が尽きないように気をつけつつ、的確な射撃を試みる。


 次のターゲットは巨大なオーガである。

 巨大なゴブリンよりさらに2倍はでかいであろう、

 牙が口から突き抜けており、あんなものでかみ砕かれたら命の保証はないだろう。


 まぁ死んでも良い空間であろうと、死ぬ事は抵抗があるしな。


 巨大なオーガの数は3体。


 1体1体がある程度の距離を空けて、まるでゾンビのように徘徊している。

 きっと彼等モンスターはひたすらこのダンジョンを守り続けていたのだろう。

 巨大なオーガ達の瞳は虚ろであり、まるで虚像でも見ているかのようだった。


 僕は建物の上に上る事にした。

 建物の中には誰もいない、屋上に上る事はとても辛い物では無かった。

 普通に階段があったから。


 建物の屋上でマシンガンをスナイパーライフルみたいに使用することにした。


 マシンガンを構える。小さな弾のBB弾は数千個は準備してある。それでも沢山使用すればなくなるのは必至だし、補充するのに現実世界に戻る必要がある。

 

 なので僕は狙い定める。


「マシンガン1発で終わらおせてやる」



 某映画で見たスナイパーの極意を試しつつ。

 呼吸を合わせるように、ゆっくりと吸い込み、そして吐き出す。

 巨大なオーガと一心同体になりながら、次の瞬間、BB弾が1発だけ発射され、オーガの頭を拭き取っばした。

 オーガは消滅すると、そこには何かが落ちているようだ。


 仲間が死んだことを悟った2体目の巨大オーガはこちらを見つける事に成功した。

 それから早打ちガンマン戦闘が始まったのだ。


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