第71話 銃撃戦

 巨大なオーガの1体を仕留める事に成功した。

 巨大なオーガが消滅するのと同時にアイテムが地面に落下した。

 その音と仲間の消滅を見ていた。他の2体目の巨大オーガがこちらに気付く。


 まるで暴走した鬼のように走ってくる様は恐怖そのもの、巨大な棍棒はお前ら鬼だろと突っ込まざるおえない。


 僕は某映画の決め台詞を思い出しつつ。

 落ち着け、もっと落ち着け、


 心の中で呟きながら、

 マシンガンを一発ぶっ放す。

 頭を狙う事はできず、首にヒットすると巨大なオーガの頭が空中に向けてコロコロと回転しながら吹き飛ぶ。


 そして消滅して、またアイテムになる。


 2人目の犠牲者により、冷静さを失った最後の1体の巨大オーガは。


 棍棒を投げる。

 まるでブーメランのように投げてきたそれを僕はもっともっと心の中で落ち着けと念じる。


 飛んでくる棍棒に向かってマシンガンの1発をぶっ放す。


 すると棍棒自体が消滅する。


 次に唖然としてしまっているオーガは、すぐに理性を取り戻して、こちらに走ってくる。


 僕はマシンガンで1発ずつ的確に狙おうとするも、

 こちらの事に気付いてしまっている巨大オーガは全てをギリギリで避けて見せる。


 その驚異的な力に僕は驚きを隠せない。

 あんなに巨大な体をしている。

 それなのに、機敏に動く事ができるなんて。


「だが、単発連射はどうだ?」


 右腕、左腕、右足、左足、お腹、頭、それを定期的に連発する。

 どこにBB弾が飛んでくるかなんて分からない。

 ついに巨大オーガは避け続ける事が出来ず、右足に一発食らってしまう、

 粉々になった足を見て巨大オーガは怒声を張り上げるも、その隙が災いとなり、


 僕の最後の狙いは頭。


 頭を吹き飛ばしたのであった。


 巨大オーガ3体を消滅させる事に成功すると、アイテムを拾いにいく、そこには【魔力操作の極意のポーション】【体力操作の極意のポーション】【スピードアップの極意のポーション】


 また訳の分からない物が出てきた。そのポーションを飲む事でそのスキルを覚えるという事なのだろうか?

 謎は沢山あるけど、とりあえずミニチュアボックスに仕舞って置く事とした。


 最下層に向けてひたすら歩き続ける。


 到達した場所は沢山の煙突が突き出ている区画であった。


 時のダンジョンの外の建物の姿を僕は思い出していた。

 それは煙突の形ばかりの不思議な光景であった。


 目の前の入り口はとてつもなく大きい物であった。

 あそこに何かがあるとされる。


 だがそこには巨大ミノタウロスが悠然と立っており、その前には巨大ゴーレムが2体だけこちらをじっと見据えている。


 ある程度の距離に近づくと攻撃するようになっているようだ。


 恐らく冒険者とかがフェイントをかけて、中に入られないようにする為だろう、1人が囮になり、1人があちら側へと入ってしまう、それを防ぐため。


 なぜそこまでするのだろうか?

 それほどまでに大事な情報と言う奴なのだろうか?


 僕の脳裏には沢山の疑念がうずまき、

 まだまだBB弾は残っている。


 ゴーレムにはハンドガンでなんとかしよう。

 それはなぜか、なぜなら、マシンガンとバズーカはボスらしき巨大ミノタウロスに絞っておきたい。


 一歩突き進む。

 ゴーレム2体も一歩突き進む。

 まるで将棋でもやっているかのような錯覚を覚えさせられてしまう。



 ハンドガンを構える。

 この距離なら当たるだろう。


 発射する。

 巨大ゴーレムとは巨大オーガより上半身分がでかく、体があらゆる鉱石で作られている。

 とてつもなく頑丈な鎧を着用し、関節はどうやら狙っても意味がないだろうというくらいがっちりと防御されていた。


 ひたすらどこを狙うかで決めて、狙ったのは。


 やはり心臓と言うわけだ。


 ハンドガンの弾が貫いたのはゴーレムの心臓、次の瞬間爆発し、ゴーレムは四散した。

 そこに1個のアイテムが落下する。

 もちろん巨大ゴーレムも消滅する。

 もう1体のゴーレムは仲間の死を知ると、まるでモンスターのように走り出す。

 それも狼のように四足歩行で、獣そのもの。


 ハンドガンでターゲットを狙い、弾を発射。

 それをぎりぎりで避けられると、僕は体を前転させて、横にずれる。そこを巨大ゴーレムがタックルしてはずす。


 後ろをとった僕はハンドガンでまた連射。


 だが巨大ゴーレムは背中に目でもあるかのように避けてしまう。

 僕はヒヤッとしつつも、またタックルしてくるので右横に前転する。


「はぁはぁ、シャレにならねーよ」


 あのゴーレムのスピードには驚愕させられる物がある。


 空気が重たくなる。

 それは僕が死を予感した事がきっかけかもしれない。


 それでもそう簡単に死ぬ事は許されない。

 

 この世界では恐らく何度でも蘇る事が出来るだろう。

 癖とは恐ろしいものだ。ダンジョンから出て、死が当たり前だと思い。

 簡単に死を選んだ場合、2度と帰って来る事なぞ出来ないのだから。


 また巨大ゴーレムが四足歩行の状態で、こちらにタックルを仕掛ける。

 僕はぎりぎりまで引き付ける。


「死ぬ覚悟はできなかったよ」



 僕はにやりと頭をぽりぽりとかきながら。


 ハンドガンを悠然と構え、ぎりぎりまで接近した状態でハンドガンのBB弾を発射させる。


 目の前ぎりぎりで巨大ゴーレムは消滅してしまった。


 消滅した空気と顔面から触れ合う、あと少し遅ければ僕は死んでしまい入り口で蘇っていただろう。


 そんな事どうでもいいよとばかりに、鼻を擦るのであった。


 巨大ゴーレムのドロップアイテムである2個の品を確認する【時のゴーレム設計図】【時の変形ゴーレム設計図】


 まずノーマルのゴーレムの設計図と、変形が出来るゴーレムの設計図。

 

 先程簡単に倒す事が出来たのがノーマルゴーレムで、

 苦戦を強いられたのが変形ゴーレムという訳だろう。


 この最高なアイテムをこの世界の住民と現実世界の人に見せたら、何か出来ないだろうか? 例えば盾と剣の組織のメンバーにこの設計図を送れば、もっと圧倒的な力で平和を勝ち取る事だって出来るのではないか? 



 しかし本当に圧倒的な力は平和に繋がるのだろうか?


 僕はそこの所、微妙な気持ちに悩まされていたのであった。


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