第32話 現実の資源
現実世界に戻るために扉をくぐる必要がある。
しかし一緒についてきた子供のドラゴンであるドルゴンは連れて行く事は出来ない、
普通に扉が反応しないみたいだ。
ドルゴンはこちらの言葉を表情などで解釈してくれている所があるので、
ここで待っていて欲しいと告げると。
「ぐるぁ」
口から小さな炎を吐き出して了解の意を示してくれた。
そして僕はバイクのフェイブマックスXと、ともに現実世界の巨大倉庫に出てきた。
そこには林介がコーヒーを飲んでこちらを見ていた。
「よ、兄貴」
「おう、プラントモンスター増殖計画が成功したよ」
「それはよかった」
「今は城壁やらなにやら作るので必要だから、こちらに持ってくるのは後になるかもしれない」
「それでもかまわない、それより兄貴が置いていったドラゴンの卵の殻だけどな、未知の物質だとDNA検査をした研究部が伝えてくれた。まったく意味不明な物質であるから、ただ分かっているのは、これを政府に渡してはいけないということらしい」
「なるほどなぁ、で、なんで政府に渡したらダメなんだ?」
「たぶん、戦争の道具にされる」
「まじか」
「だから、ドラゴンの卵の殻は色々とこちらの会社で研究しようと思うんだ。兄貴さえよければだけど」
「僕は全然かまわないよ」
「ふぅ、それで今日は何かあるのか?」
「よくぞ聞いてくれました」
「なんか兄貴を見ていると親父を見ているようだ」
「そうかなぁ」
僕は説明を始める事とする。地下設備を作るためにドワーフの力が必要なこと、
あとエルフの力も借りたいこと、その他の種族にも接触したいことなど、トロールから守ると約束すればなんとかなるのではないかという事も。
「兄貴、1つ言っていいか?」
「なんだ? 林介」
「もし俺がドワーフ王で、兄貴を見て、兄貴がトロールから守ってくれる戦士だと言って信じるか?」
「そうだな、そのために戻ってきた」
「へ?」
「エアガンあるよな、僕の部屋の中にしまっていた」
「それならお袋が捨てちまったぜ」
「えええええええええええええええええ」
「そんなにびっくりするなよ、ちゃんとお袋はこの巨大倉庫にしまってある。こっちこい」
林介の案内の元、沢山の家具やら電気製品の隙間に3丁のエアガンを見つける。
1つ目がハンドガンタイプで2つ目がマシンガンタイプで3つ目がバズーカタイプ。
「確かそのバズーカタイプはさ親父が改良したやつだよな、沢山のお店を回って探したけど売ってなくてさ、兄貴がダダこねたら親父が造っちまったんだよな。沢山のビービー玉が出てくるのは傑作でさ」
「懐かしいな、これを異世界で使用したらどうなるか試してくる」
「おう、俺はここでコーヒー飲んでるさ」
「では」
そう言って僕はビービー玉を詰めた袋をポケットにしまうと、
扉に入ることに、
―――――――――――――――――――
巨大倉庫(現実世界)→山の麓(異世界)
―――――――――――――――――――
外に出るとやはり岩のような山の隙間から出現、
ドルゴンは主が戻ってきたと悟ってすぐに僕の肩に乗った。
「ドルゴン見ていろ、これが新しい武器だ」
僕はハンドガンを構えて、目の前の木々に命中させる。
もちろんビービー玉を1個だけ消費する。
木々の真ん中に大きな穴が出来て。
木々はぶっ倒れた。
振動が山中を駆け巡り、
「あ、はは」
「ぐ、ぐぇ?」
僕とドルゴンは唖然としていた。
どうやらこの異世界にある魔力がエアガンことハンドガンと融合して、
常識では考えられない攻撃力となっている。
「次行ってみよう」
「ぐええええ」
ドルゴンも楽しくなってきたようだ。
次はマシンガンだ。
あまりどこ製とかはよく分からないが、
昔親父がアメリカ製はなんたらとか日本製はまだまだとか、
熱い討論を隣のおっさんとしていた。
「ふ、このマシンガンを食らえ」
ダダダダダダダダダ
一発一発が大砲級で、しかも木々を貫通して後ろの木々にまでダメージを負わせる。
そこら中が木々の墓場となりました。
「あ、はは、これ自然破壊だよな」
「ぐえぐえぐえぐえ」
「もっと撃てって、お前はバカなのか」
「ぐえ」
「何気に親指あげてんじゃないよ」
「ぐえぐえ」
「了解した。次行ってみよう」
最後はバズーカタイプ。
ふ、なんか頭の片隅に核爆弾が飛来したが、
今は気にするな、まさか親父が造ったバズーカが核ミサイルと同じだったら、
僕は大量殺戮者として、いたる異世界で指名手配されても可笑しくねーぞ。
ただでさえ周りの木々は墓場のようになっている。
しまいには動物たちはこちらを見て恐怖のような表情になっている。
動物って表情ないと思ってたけど、やばいと表情って出るんだな。
「では、一発かますぞ」
バズーカを発射しました。
大きなビービー玉の袋が発射され、大爆発となった。
まるでブラックホールがやってきたように、
辺りの木々は粉砕され、
1本1本の木々はまるでドミノ倒しのように倒れていく。
きっと森の神様がいたら雷を落としているだろう。
それだけ恐ろしいことをしているのだ。
岩はまるでどろどろのようになってしまっている。
ふ。
「ドルゴンよちょっと待っていてくれ」
「ぐええええ」
僕は現実世界に逃げました。
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