第33話 旅の準備
「まずは武器のエアガン(ハンドガン、マシンガン、バズーカ)の3つで何とかなりそうだけどさ、ドワーフとエルフが好きそうなこの世界の品って何だと思う?」
目の前にはコーヒーをちびちび飲んている林介がいる。
彼はブラック派であり、僕は甘党派でもある。
「ドワーフだとビールが好きなイメージがあるけどな」
「それ理解できるかも、でも食べ物系統はあの異世界への扉を通ることが出来ないんだよ」
「そうだよなぁ、それ以前に兄貴はビービー玉の心配をしたほうがいいぞ、バズーカを何度も発動したら異世界で玉切れという可能性が」
「その時はダイヤモンドの剣とか草花のローブとか、魔人の右手があるさ」
「まったくどこまで兄貴は戦略的になっちまったんだろうな」
「まぁ気にするな」
「宝石とかはどうだ? 子供用のすごく安い奴」
「それだ。確かリサイクル品にあったよな」
「まずはドワーフはクリアと、次はエルフだな」
「んーと、エルフは木々を大事にしていそうなイメージがあるから、エルフはイメージつかないからリサイクルショップで日用品としていくつか購入してこうと思う、現地にて何か交渉できればいいだろうし」
「そのほうがいいな、俺の方からお袋に引退したらどうかって言ったんだ」
「勇気ふり絞ったな」
「そしたらめちゃくちゃ怒られた。どうやら疲れて見えたのさ、仕事で疲れていたわけじゃなくてさ、親父がいないからみたいだ」
「なるほどなぁ、僕は僕でこの異世界に行くことが楽しいし」
「俺は俺で兄貴のサポートするのが楽しい」
「お袋が疲れたらいつでも交代できるようにしておこうぜ」
「兄貴の言う通りだな」
俺はリサイクルショップに向かった。
自動ドアが開くと、不思議な音色を響かせながら。
お袋はにこにこしながら子供たちと話をしている。
この地区ではリサイクルショップはここぐらいで、
カードゲームと、子供専用のリサイクル品があるほどなのだ。
そして僕は唖然として見ている。
そこにはエアガンがいろいろと飾られており、
値段もお手頃のようだ。
僕はそのエアガンの密集地にやってくると、
いつの間にか後ろにはお袋がいた。
「あんた。昔父さんとエアガンを改造したことがあったよね、あの時の父さんはとても生き生きしていた」
「そうだね」
「持っていきたいなら持っていきな、ただし金をもらうよ」
「払うけど、今はエアガンはいらない、今は子供用の宝石をこの袋に一杯にしてくれ」
「あんたサンタクロースでも始めるのかい」
「そんな所さ、相手はお爺さんたちだけどね」
「爺さんたちならこの湿布薬を持ってくんだね」
「これは、リサイクル品ではないよね」
「薬品メーカーが潰れて、そこの社員が知り合いだったからね、湿布を処分してくれっていうから、リサイクルにしてみた」
「それももらうよ、あと耳の長い異種族にもプレゼントを」
「あんた化け物の家にサンタクロースとしてがんばってんじゃないわよね」
「それは違うと思う」
「爺さんと耳長い人ね、なんだか父さんを思いだすね、耳の長い人にはピアスがいいわ。これは子供用で耳に穴をあけないでテープみたなもので止めることができるのさ、これは林介が開発したんだよ、あいつはあいつで結構頭がいいのな」
「すげーな、あと適当に日用品をこの籠一杯に詰めてくれ、爺と耳長人用に」
「任せな」
「ではお会計5万になります」
「はいよ」
「あんたいつからそんなにお金持ちになったのさね、このリサイクルショップの社長として働いているのはわかっているけどねぇ」
「僕は林介と組んで、リサイクルプロジェクトをやってるんだ。お金なら困らないからさ、お袋も引退考えていいんだぜ」
「ふ、まだ若造には、はえーわい」
僕は苦笑しつつも、巨大倉庫に沢山の荷物を抱えて戻ることとなった。
とはいえ巨大倉庫はリサイクルショップ(でんでん)のすぐ後ろにあるのだが。
そこでは弟の林介がコーヒーカップにタバコを突っ込んでいた。
「すごい荷物だな」
「まぁ、フェイブマックスXなら運べるしょ」
「それは良かった」
僕はフェイブマックスXの荷台10台に均等に荷物を置くことはしなかった。
僕は、5台で足りると認識したので、5台の荷台を変形させる。
そのおかげで、フェイブマックスXというバイクの荷台はとても短くなってくれる。
「兄貴、こっちは任せてくれ、たぶんだけどすぐには戻ってこれないんだろう?」
「そうだ、お袋には色々と誤魔化してくれ」
「それは任せろ、だけど1つだけ約束してくれ、死んでお袋と俺を悲しませるな」
「もちろんだ。この重武装の僕に滅びるすべはあると思うか?」
「いやねーと思うけど」
僕の右肩と左肩にはハンドガンとマシンガンが紐状の物で固定されている。
肩にはバズーカを設置している。
すぐにバズーカを構える事にはしている。
「さて行くか」
「がんばれよ」
弟の林介は鼻頭をなでながら、
にやりと笑っているのだなと、
心のどこかで思っていた。
扉の向こうには世界が広がっている。
僕のビービー玉連射により森は破壊されている。
モンスターも動物もいない、
ただ一体だけいるとしたら、
相棒のドルゴンだけ、
奴はこちらに向かって飛翔してくる。
どうやら空を飛べるようだ。
成長スピードって意外と早いのだなと思った。
ドルゴンは僕の肩に乗る。
バズーカのないほうの肩だったけど。
「ぐえええええ」
僕の頭を舐めまわしてくるのには少し照れながら。
「すまなかった」
どうやら待ちわびたという合図のようだ。
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