物語の行方

 アクアリード――彼のポイントはマイナスになった事がなかった。


 悪行を行おうとも、恨まれたとしても。

 アクアリードのスキルには、マイナスをプラスに変換するスキルがあるのだ。その存在は、本人以外誰も知らない。

 そして、ポイントが増えれば、スキルも増える。

 これは高ポイントの者のみが知っていた。知っていて、低い者に教えない。


 それは、この世界はポイントが高い者が崇められるからだ。

 もちろん、アクアリードは崇められたいわけではない。好き勝手に楽しくしたいからだ。

 ポイント制度があっても、この世は不公平なのかもしれない――。



 「あ、仕事終わったらおごってね!」

 「なぜおごらねばならない!!」


 やっぱりたかりにきたんじゃないかと思うアクアリード。


 「金ならあるだろうに」

 「おごってもらうことに意義がある」

 「一度ぐらいおごれ!」


 ルナはこの見た目だが、アクアリードより本当は強い。彼は、悪行ギルドの裏ボスだったのだ。

 ルナが、アクアリードにかまけている間は、この世界は平和だろう。そう平和は、アクアリードにかかっているのだった――。



 「あきら~ご飯よ」


 僕は、ビクッと体を震わす。

 今の話は、僕が2020年夏から考えていた物語。

 この物語が動き出すのはいつだろうか――。

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世界を動かすモノそれはポイントだ! すみ 小桜 @sumitan

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