第3話 ライバルと同期

 試験結果の発表当日になった。

 ドキドキしながら待っていると、ようやく合格者の番号が張り出された。

 私は、緊張した面持ちでその紙を見つめる。


(あった!!よかった!!!!!!)


 ホッと胸を撫で下ろしていると、誰かが話しかけてきた。


「その様子だと貴女も受かったみたいね。おめでとう。」

「え?あっありがとうございます!」


突然のことだったので驚いてしまった。


「驚かせてしまって悪いわね。」

「いえ……。あなたは?」

「リリアナ・グウィス・ハーティスよ。名前ぐらいは聞いたことあるんじゃないかしら?」

「確か、王国魔法師団長の娘さんですわよね?有名ですもの。」

「あら、知っていたのね。」

「はい。一応、貴族ですから。」


 そう、彼女は氷原の白熊と有名な魔法師団団長アラン・グウィス・ハーティスの娘である。

 そのため、よく噂話に上がるのである。

 ちなみに、彼女のことは苦手だったりする。

 何故なら、この人はいつも私に対して厳しいからだ。

 だけど、今回は少しだけ違うらしい。表情を見ていれば、それがわかった。

 何故か嬉しそうな顔をしているのだから。

 不思議に思っていると、彼女が口を開いた。


「貴方、これから暇かしら?」

「……まぁ予定はないですけど……。」

「じゃあ、この後お茶でもどうかしら?」

「はい!喜んで!!」


 まさかのお誘いだったのでつい反射的に返事してしまった。

 そして、今私たちはカフェにいる。


「それで、どうして誘ってくれたんですか?」


 私が聞くと、彼女は目を細めて答えた。


「別に大した理由なんてないわ。ただ、これからはお互い騎士として同期になるんだもの。仲良くしておいた方が良いと思っただけよ。」

「なるほど……。確かにそうですね。」


納得すると、彼女は少し笑った後紅茶を一口飲んだ。


「それにしても、驚いたわ。まさか、貴方があの試験をクリアするだなんてね。」

「あれってそんなに難しいんですか?」

「えぇ。筆記は簡単かもしれないけれど、実技はかなり難しかったはずよ。特に対人戦はね。」

「……そういえば、試合の相手が現役騎士の方でびっくりしました。」

「それは仕方がないわ。何せ、今回の受験者は大半が元騎士団長や副団長の息子娘達だからね。」

「なるほど、どうりで去年より試験官たちの気合いが入っていたのですね」

「そういうことよ。」


なるほどと思いながらケーキを口に運ぶ。美味しい。


「ところで、貴女の試合を見ていたけど、現役騎士のそれも現国王の側近にして騎士の中でも指折りの強さを持つウォルフ様にかなり目を掛けられてるように見うけられたのだけれども何か関係があったのかしら?」

 試験結果の発表当日になった。

 ドキドキしながら待っていると、ようやく合格者の番号が張り出された。

 私は、緊張した面持ちでその紙を見つめる。


(あった!!よかった!!!!!!)


 ホッと胸を撫で下ろしていると、誰かが話しかけてきた。


「その様子だと貴女も受かったみたいね。おめでとう。」

「え?あっありがとうございます!」


突然のことだったので驚いてしまった。


「驚かせてしまって悪いわね。」

「いえ……。あなたは?」

「リリアナ・グウィス・ハーティスよ。名前ぐらいは聞いたことあるんじゃないかしら?」

「確か、王国魔法師団長の娘さんですわよね?有名ですもの。」

「あら、知っていたのね。」

「はい。一応、貴族ですから。」


 そう、彼女は氷原の白熊と有名な魔法師団団長アラン・グウィス・ハーティスの娘である。

 そのため、よく噂話に上がるのである。

 ちなみに、彼女のことは苦手だったりする。

 何故なら、この人はいつも私に対して厳しいからだ。

 だけど、今回は少しだけ違うらしい。表情を見ていれば、それがわかった。

 何故か嬉しそうな顔をしているのだから。不思議に思っていると、彼女が口を開いた。


「貴方、これから暇かしら?」

「……まぁ予定はないですけど……。」

「じゃあ、この後お茶でもどうかしら?」

「はい!喜んで!!」


 まさかのお誘いだったのでつい反射的に返事してしまった。

 そして、今私たちはカフェにいる。


「それで、どうして誘ってくれたんですか?」


 私が聞くと、彼女は目を細めて答えた。


「別に大した理由なんてないわ。ただ、これからはお互い騎士として同期になるんだもの。仲良くしておいた方が良いと思っただけよ。」

「なるほど……。確かにそうですね。」


  納得すると、彼女は少し笑った後紅茶を一口飲んだ。


「それにしても、驚いたわ。まさか、貴方があの試験をクリアするだなんてね。」

「あれってそんなに難しいんですか?」

「えぇ。筆記は簡単かもしれないけれど、実技はかなり難しかったはずよ。特に対人戦はね。」

「……そういえば、試合の相手が現役騎士の方でびっくりしました。」

「それは仕方がないわ。何せ、今回の受験者は大半が元騎士団長や副団長の息子娘達だからね。」

「なるほど、どうりで去年より試験官たちの気合いが入っていたのですね」

「そういうことよ。」


 なるほどと思いながらケーキを口に運ぶ。美味しい。


「ところで、貴女の試合を見ていたけど、現役騎士のそれも現国王の側近にして騎士の中でも指折りの強さを持つウォルフ様にかなり目を掛けられてるように見うけられたのだけれども何か関係があったのかしら?」

「いえ、顔と名前は知っていましたが、直接会うのは今回がはじめてですよ。」

「へぇーそうなのね。てっきり、そういう仲なのかと思ってたわ。」

「えっ!?ち、違います!」


 慌てて否定するが、彼女はクスッと笑って言った。


「冗談よ。さすがに、そこまで馬鹿じゃないわ。」


 私はホッと息をつく。良かった。誤解されたくなかったからね。

 それからしばらく雑談をしているうちに、日が落ちてきたため解散することになった。

 帰り際、彼女に呼び止められる。


「ねぇ、また一緒にお茶しない?今度は二人きりで。」

「もちろんいいですよ!」


 断る理由はないので即答する。すると、彼女は満足げな表情を浮かべた後、


「楽しみにしているわ。それじゃあ、また明日。」


 と言って去っていった。


「ん?二人っきり?」


 彼女に話しかけられてからこれまで私と彼女しかいなかったはずだけど……どういうことだろう? 疑問に思いながらも、私も帰路についたのであった。

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貴族令嬢は女騎士になりたい! 神無月燿 @dystopia_world

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