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「私もあんまりこの村の雰囲気は合いそうにもないですし、引き返しましょうか」

「そ、そうか! じゃあ早速そうしよう!」


 おばあさんの返事を聞いたおじいさんはパアアと表情を明るくして、すぐに引き返します。どうやら帰りたかったのはおじいさんの方だったようでした。


 と言う訳で、この集落を離れてまた別ルートで赤いアレを探し始めたものの、結局それらしきものは見つからず、2人は疲れ切ってしまいます。

 結局、おばあさん達は何の成果も得られないまま旅を断念。自分達の故郷に戻る事となったのでした。


「残念ですね、おじいさん。あちこち歩き回ったのに」

「悔しいのはワシも一緒じゃよ。きっと見つかると思ったんじゃがのう……」


 重い足取りとなりましたが、何とかトラブルにも遭う事なく、2人は無事に故郷へと帰り着く事が出来ました。見慣れた景色を見て、おばあさんはほっとため息を吐き出します。


「帰ってこられましたねぇ」

「本当じゃのう。色々あったが、ワシは楽しかったよ」

「ワシもじゃ、おじいさん」


 2人はお互いに見つめ合うとクスクスと笑います。そうして、住み慣れた我が家へと足を進めたのでした。

 そうして、またあの何でもない平和な日常が戻ってきます。



https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894390095

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