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「ゾンビさん、しっかりと成仏しておくれよ……」


 おばあさんはゾンビに向かって念仏を唱え始めました。最初こそ調子よく唱えていたものの、そこは素人、段々と内容が不明瞭になってきます。やがて、完全に覚えていない領域に達し、おばあさんの念仏はかなりいいかげんになってきました。


「……あれ?」


 お経が正しくなかったのか、気がつくとぶった切ったはずのゾンビの体はいつの間にかくっつき、起き上がってしまいます。おばあさんはこの復活したゾンビにすっかり怯えきってしまいました。


「ひえええ~っ! お助けぇ~ッ!」


 そうして、速攻でその場から逃げ出したのでした。



https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894331553

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