「仕方ない、相撲をとっちゃる！」

「やった！　そうこなくっちゃ！」

　覚悟を決めたおばあさんは、河童と相撲を取る事にしました。早速がっぷり四つに組んで取り組みの開始です。流石は相撲好きのカッパとあって、おばあさんも簡単には勝たせてくれません。しばらく膠着状態が続きます。

「おばあさん、中々強いな！」

「フフ、そう言うお前さんもな」

　戦いが長引いている間に河童のギャラリーも増えてきました。そこで河童もいい所を見せようとつい隙が出てきてしまいます。それを見逃すおばあさんではありません。

「うおりゃあーっ！」

「わわっ！」

　ここでおばあさんのうっちゃりが見事に成功し、この一番はおばあさんの勝ちとなりました。周りのギャラリーもおばあさんの称える声で盛り上がります。

「おばあさん、強いな。俺に勝った褒美だ、これをやる」

　河童はおばあさんに黄金のきゅうりを手渡しましました。そうして、相撲に満足した河童はギャラリー達と供に池に帰っていきます。あっさりと河童が帰ってしまったので、おばあさんは拍子抜けしてしばらく呆然としていましたが、ハッと我に返りました。

「この黄金のきゅうり、これは使えるぞい！」

　おばあさんは村に帰ると、早速おじいさんと合流します。そうして、黄金のきゅうりを見世物にしました。それだけではありません。運が開ける奇跡のきゅうりとして見物料を取り始めたのです。

　こうして黄金のきゅうりのおかげで新しい家も建ち、おばあさんとおじいさんはその後も幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

（おしまい）

　黄金のきゅうりエンド　ＥＤ２８

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