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「うわあああ~っ!」


 おじいさんはあまりにも状況が不利なためにビビってしまい、思わずその場から逃げ出します。その決断が早かったため、何とか悪そうな集団から逃げる事が出来ました。

 そうして、追手が来ない事を確認して、ようやく足を止めて呼吸を整えます。


「あの女の人には悪いが、ワシャ勝てん戦いはせん主義なのじゃ。許しておくれ……」

「おう! ごめんよ……っ」


 道端で反省していたところで、おじいさんにぶつかってきた兄さんがいました。すぐには気付きませんでしたが、もしやと気付いた時にはもう手遅れです。おじいさんはまんまと財布をすられていたのでした。

 この突然のアクシデントに、おじいさんは頭を抱えます。


「ああああ~っ!」


 すぐに気付かなかったのもあって、スリの兄さんはもうどこにもいません。多分探そうとしても見つけられないでしょう。おじいさんは天を仰いで、自分の間抜けさ加減を責めるばかりでした。



https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894221675

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