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「では、お前さんの話に乗るとするかのう……」

「おお、ついてきてくれるか。有り難い。恩に着るぞ」


 天狗の頼みを受け入れたおじいさんが彼に捕まって空を飛ぶと、そのまま天狗の里につれてこられました。建物だけを見ると、人間の村と全く変わりません。


「ほう、ここが天狗の里か。人の村と何ら変わらんのう」

「天狗の里はいい所ですよ。自慢の里です」

「で、ワシはどこに連れて行かれるのかのう」

「ほら、あそこです」


 天狗が指を指したのは、天狗の里の中心の辺りに立派にそびえる大きなお城。城なんてものをまともに見た事のないおじいさんは、その建物を見て目を丸くします。


「何とたまげた! 立派なお城じゃのう」

「おじいさんには我らが大将に会っていただきます」

「そりゃまた何とも、緊張する話じゃ……」

「大丈夫、取って食ったりはしませんから」


 天狗はそう言って笑います。この冗談に聞こえない冗談に、おじいさんは苦笑いを返すので精一杯。

 やがて、天狗に連れられたおじいさんは天狗の大将がいる天狗の城へと入っていくのでした。



https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894179413

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