37
「では、お前さんの話に乗るとするかのう……」
「おお、ついてきてくれるか。有り難い。恩に着るぞ」
天狗の頼みを受け入れたおじいさんが彼に捕まって空を飛ぶと、そのまま天狗の里につれてこられました。建物だけを見ると、人間の村と全く変わりません。
「ほう、ここが天狗の里か。人の村と何ら変わらんのう」
「天狗の里はいい所ですよ。自慢の里です」
「で、ワシはどこに連れて行かれるのかのう」
「ほら、あそこです」
天狗が指を指したのは、天狗の里の中心の辺りに立派にそびえる大きなお城。城なんてものをまともに見た事のないおじいさんは、その建物を見て目を丸くします。
「何とたまげた! 立派なお城じゃのう」
「おじいさんには我らが大将に会っていただきます」
「そりゃまた何とも、緊張する話じゃ……」
「大丈夫、取って食ったりはしませんから」
天狗はそう言って笑います。この冗談に聞こえない冗談に、おじいさんは苦笑いを返すので精一杯。
やがて、天狗に連れられたおじいさんは天狗の大将がいる天狗の城へと入っていくのでした。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894179413
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます