32

「また何か企んでおるのじゃろう。その手には乗らんぞい」

「チッ……」


 実は、天女はいつもおじいさんから羽衣を奪う隙を狙っていて、事あるごとに罠にかけようとしていたのです。それもあって、すっかりおじいさんは天女を信用しなくなっておりました。


 ある日の事、おじいさんの家に珍しいお客さんがやってきます。それは、身長が2メートルはあろうかと言う、ガッシリとした肉付きの大男でした。おじいさんは、この来訪者に全く見覚えがありません。


「おう、邪魔するよ」

「はて、どちら様かのう?」

「お、お父様!」


 そうです。この大男は天女の父親でした。この展開に悪い予感の走ったおじいさんは、すぐに逃げようとします。

 ですが、大きな手で強く肩を掴まれ、おじいさんはどうする事も出来ません。


「この度は娘が色々とお世話になりましたなあ……」

「ヒ、ヒイイッ!」


 その後、天女の父親によっておじいさんはボコボコにされ、羽衣も奪われます。羽衣を取り戻した天女は、父親と一緒に故郷の天上の世界に戻っていきました。

 それからのおじいさんはと言うと、また新たな天女との出会いがあるかもと、浜辺の村で暮らし続けたと言う話です。


(おしまい)



 天女パパにボコられエンド ED10


https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894396928

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