第5話いつもの風景

「ただいま」「もも、ライブいつやった?」

「翔ちゃんおかえり」「明後日やで、忘れんとってよ」

「分かってるって」

「あ、はる」「大学決めたん?」

「一応な、今度三者面談やって」

「それいつ?」

「来週。月曜やったかな」

「翔ちゃん行く?私行く?」

「どっちが行っても一緒やろ。決めるんははるやからな」

「そやね。当日でええよね」「そんで、どこにしたん?」

「福祉系のとこにしよと思ってる」

「へー。ええんちゃう。な、翔ちゃん」

「やりたいと思う事やったらとことんやれよ」

「うん」


俺は家から通える大学に入った。

勉強も実習も楽しかった。

家に帰ったら話を分かってくれるオカンも居るし、腹抱えて笑って話を聞いてくれるオヤジも居るし、ま、妹は興味なさそうやけど。

覚える事も多いし大変やったけど、毎日が楽しかった。


「はるくん久しぶり」

「おう。久しぶり」

「実習は?」

「しばらくはないよ。講義や」

「清水さんは?」

「来月までは実習ないよ。私も講義」

「久しぶりに飯でも行く?」

「行こ行こ。何食べよう」

久しぶりに同級生と時間を過ごす事にした。


「わっ、はる。あ、清水さん。久しぶりやん」

「オカンどこ行くん?」

「お久しぶりです」

「会議やねん。」

「夜勤明けやったんちゃうの?」

「そやけど、しゃーない。ま、行ってくるわ」


ホンマに忙しいオカンです。

でもなんか楽しそうで、いっつも動いてる。

休みの日でもオヤジとライブ行ったり、相変わらず神社巡りしてたり

ボーッと時間を過ごしてるとこ見たことない気がする。

でも気張ってる訳やないらしい。

多少無理はしてるんやろうけど、楽しいからええって言えるオカンは

凄いと思う今日この頃。

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仕事人間と呼ばれる俺 大田誠翔 @oota-akito

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