帰省
平成24年 正月
沙羅はお正月休みで実家へ帰省していた。
当初は特救隊員として一人前になるまで帰らないと決めていたが、規子や他の先輩達とも話していく内にやっぱり帰りたい時は帰ろうと思うようになったのである。
休みとは言っても、沙羅達は特殊公職(前世で言う特別職国家公務員の更に特化版、特救隊員、軍人、消防隊員、警察官がこれにあたる)のため、何か災害が起これば近くの隊員に応急呼集がかかるのであるが、今の所何も起きていないようで、久しぶりの家族団欒を楽しむ。
「千寿、見らん間にだいぶふとなったね」
「ふとなった?ねーね、ちひろふとった?」
「違う違う、大きくなったねって意味たい」
ここで瑠美が口を挟む。
「沙羅、あんたも縦にも横にもふとなったっちゃなかね」
「横にもは余計たいママ、いやあほらやっぱり訓練とかのストレスで食欲が異常なくらいなってからね〜」
「まあ栄養になっとんならよかばってん」
瑠美も敏明も離れて暮らす娘の事は常日頃から気にかけており、心配そうな目で見るが沙羅は大丈夫と微笑む。
「パパもママもそぎゃん顔せんでも大丈夫、たまに甘えられる先輩達もおるけん」
「そうね、ならよかばってん・・・・・・どうしてもきつなったらいつでん帰って来てよかけんね」
「うん、ありがとうパパ」
でも、自らの娘の事。沙羅は今後もそう簡単に自分達に甘える事はないだろうなと思う敏明であった。
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