選択



 平成19年 春



 5年生になった沙羅は、幼い弟千寿の面倒を見たり、俊弥や美輝らと少年野球の練習をしたり、実咲達と遊んだり、転生者の会で集まったりと忙しくも充実した毎日を送っていた。

 そんな頃、沙羅は博文からある事を告げられる。



「沙羅さん、実は・・・・・・」



 博文の言葉を聞き、愕然とする沙羅。



 同時期 アメリカ合衆国 ホワイトハウス



「エリザベス元大統領が日本の小学生となって生きていると・・・・・・こんな話を信じろと?」



 顰めっ面でそう零すのは、ジョシュ・ハーパー現合衆国大統領。三軍長官、国防長官、国務長官、NINJA長官らを集め極秘会議が行われていた。



「正確にはその少女が一旦過去に行きエリザベス大統領と入れ替わり、再び日本の女の子に生まれ変わったという事ですが・・・・・・」



 自らもそんなものが信じられるかといった表情で、ブレッド国務長官が答える。



「しかしヒロ(博文の米国での通称、彼は米国連邦政府ともパイプを持っている)の話に、何より日本政府に存在すると噂される未来情報(SI情報は沙羅の意向により長らく同盟関係にある米国にも極秘にされている)の事もある・・・・・・」



「まあ、なんにせよさほど重要な問題ではないでしょう」



「問題ではないにせよ、実際にそういう少女がいるとしたら、我が合衆国にも有益となりうるかもしれん」


  

  と、ここでスイッシャーNINJA長官が口を挟む。



「だが彼女は政に関わりたくなく、将来の夢は日本のSRT隊員になる事だそうだ」



「そうか・・・」



   そして所は日本の井浦家へと戻る



「合衆国の情報網やべえな」



「エリザベス大統領の治世から特に、ですけどね」



 他人事のように零す沙羅に、博文が過去の記憶からお前のせいだろと言わんばかりにつっこむ。



「そうだったっけ?まあ何にせよ、私はこの日本だろうが合衆国だろうが、ドイツだろうがイギリスだろうが極力そういうことに関わりたくはないんだからね、内務省とか防災省に関しても本格的に関わる気はないし」



「でも現実に貴方という存在自体が重要になってきてますし・・・・・・特救だって入隊時とか定期訓練以外はほぼ暇な仕事ですよ」




 そう、沙羅の目指す災害特別救助隊は有事(災害発生時)以外は定期的な訓練(警察、消防、軍隊と協力しての大規模訓練もある)と、事務仕事くらいで余暇が多くなる仕事ではある。無論、その間も給金は支払われ、隊員は官職なので機密保持の為、副業も認められない。



「つってもこの世界の歴史は私の知る前世のものとはほぼ違うし・・・・・・」



「まあ、最終的な選択はまだ置いといてもいいですけど、貴方はこの世界にとって重要な人物である事は確かですから、頭の片隅に入れておいてください」


























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