第35話

 少女がけだるそうな感じを出して、図書館のドアをガラガラとあけて入ってきた。

「なんだい、そんな表情かおして?」

 夏緒がそう聞くと、少女は

「うん、今日はなんか寝付けなくてねえ」

と、返した。

「ふうん、大丈夫なのかい?」

「ゼンゼン大丈夫じゃないわ、死ぬほど疲れてる」

「タイヘンだね」

「しかも、おなかの調子も悪いの」

「悪い時には悪いことが続くんだなあ」

 夏緒はふうとタメ息をつく少女を見ながら言う。

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