第34話

「ほんじゃ、ちょっとこれ読んで、待ってて」

「なにこれ、黒猫ルート?」

「最近読んでて面白かったからね」

と、夏緒はゴソゴソ何かを造り始めた。




 しばらくして。

「ふふーん、ふたりの子どもはあんな性格なのね」

「はい、出来たよ」

 夏緒は、出来上がったを少女に差し出した。

「これ、カツラ?」

「うん、今日一日これで、なんとかなるだろ」

 少女はカツラを付けると、喜んでこう言う。

「ありがと、短期間ちょっとのじかんでこんなの出来るの、スゴいなあ」

「元があったからね」

 鼻歌を奏でながら、図書館を去る少女を、夏緒は深いため息をつきながら見送った。

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