第19話

 猫の先生が弟子に向かってこう言った。

「選ばれたら進んで仕事をし、見捨てられたら退いてみを隠す。こういう適切な出処進退やりかたはわたしとキミしかできにゃいにゃあ」

 弟子が訊いた。

「もし先生が大軍を動かせる立場ちいになったら、だれといっしょがいいですかにゃ?」

 先生は答えた。

「素手で虎に立ち向かったり、大河を歩いて渡るような無謀バカなことをして、死んでも後悔しないような猫とは、わたしはいっしょに行動しにゃい。どうしてもというなら、軍事にあたっては慎重、十分な計画を立ててからやることをやる猫といっしょに行動するにゃ」




「というのをキミにからこそ、リクルートしてるんだよ。受け入れてくれるかな?」

と、夏緒はニコリと笑いながら言った。

 ボクは

「うん、そこまで言うなら……。とりあえず、この逆さになってるのどうにかしてほしいかな?」

と、返した。

「ははは、わかったわかった」

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