第18話

 ある国のえらい猫がサカナが好きだったので、国民はみな争ってサカナを献上プレゼントしようとしたが、その猫は受け取らなかった。

 弟がいさめて

「あなたはサカナが好きにゃのに、にゃぜ受け取らにゃいのですか?」

と、言った。

 えらい猫はそれに対して

「サカナが好きにゃからこそにゃ。受け取ったら卑屈ににゃってしまうにゃ。いろいろ曲げて、没落して、結局サカナを受け取れにゃくなる。でサカナを得ることが大事にゃ」

と、返した。




「という感じで、ほかならぬわたしがキミを選んだんだよ、ぜひともわたしの手を取ってくれないかな?」

 夏緒が恥ずかしそうにてを差し出すと、ボクは

「うん、わかった。信頼にはできる限り答えるよ」

と、その手をにぎった。

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