第2話

 昔のハナシである。

 ある少女が、知らずに失敗したので、代わりに母親が彼女をムチで打ったら、彼女が泣き出した。

「おや、この娘は、今まで同じことをしてもにゃかなかったのに、なんで今回は泣き出したのかにゃ?」

と、母親が言うと、少女はこう返した。

「はい、でも昔は痛かったのに、今はお母さまのムチは。だからにゃいたのです」




「ははあ、この女の子はマゾだったんだね」

と、ボクがいうと、夏緒はアキレタように返した。

「いやいや、それは違うだろう、お母さんの身体を思いやれる親孝行な娘だねえってハナシだよ」

「ふうん、なんかおっさんくさいハナシだなあ」

「まあ、そんなもんだよ、こういうハナシは」

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