第3話

 夏緖は戸沢高等学校図書室の主である。

 図書室の主である夏緖がなにものかというと、つまるところ、高校2年生の黒髪ロングに眼鏡という、一見ベタな文学どくしょ少女すきに見える。

「でも、そんなに読書は好きじゃないんだよね」

 と、夏緖は読書について聞かれる度に、そう言う。

「じゃあ、なんで授業が終わったら図書室にこもるのかしら?」

 ボクにそう言われると、夏緖は

「まあ、じゃないかな」

 と、返す。

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