第078話 チャットか?
空に向かって吠えたリンディエールは、ふうと息を吐いて、消していなかったステータス画面に、再び目を向けた。
すると、また変化があることに気付く。先ほどまではなかった※があるのだ。
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個称 ▷リンディエール・デリエスタ
(ウィストラ国、デリエスタ辺境伯の長女)
年齢 ▷10
種族 ▷人族
称号 ▷家族に思い出してもらえた子ども、
家族愛を知りはじめた子、
使用人と祖父母達に愛される娘、
密かな愛され系女子(?)、
目覚め人、エセ関西人(爆笑)、
*神竜王(仮)の親友、
魔法バカ(特異)、
ゴブリンキングを倒した者、
辺境の小さな英雄、
忠誠の誓いを受けし者(2)、
レベリング馬鹿、
兄に溺愛される者、
年上キラー(!)、
*迷宮の覇者(仮免)、
きらめき⭐︎あいどる、
竜の加護(特大)、
神々の観劇対象(ニヤリ)
【固定】、
*神々の加護(特大)、
*神々と繋がる者(任命!)
※【ステータスチャット】へGO!
レベル ▷289
体力 ▷5853000/5853000
魔力 ▷92000100
/92000100
魔力属性▷風(Max)、火(Max)、
土(Max)、水(Max)、
光(Max)、闇(Max)、
無(Max)、時(Max)、
空(Max)
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「チャット……チャットって……チャットか?」
さすがのリンディエールも混乱する。それに、ヒストリアが気付いて目を向ける。因みに、現在映像は、場所を確認できるよう、スラム街や製薬工場を映しては上空に上がり、ズームしてと見せていた。
《リン? どうした?》
「あ〜……ん、やってみるわ」
《ん?》
何をとヒストリアが尋ねる前に、リンディエールはその言葉を発していた。
「【ステータスチャット】」
すると、ステータス画面が変わった。
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個称 ▷リンディエール・デリエスタ
(ウィストラ国、デリエスタ辺境伯の長女)
年齢 ▷10
種族 ▷人族
称号 ◀︎【ステータスチャット】
繋がった〜!!
私はマーナルディア
よろしくね(*^ω^*)
あ、オープン機能も追加する
できた!
【チャットオープン】でいけるよ!
レベル ◀︎
体力 ◀︎
魔力 ◀︎100%(これ重要)
魔力属性◀︎
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いきなり何かが始まった。
「……うん……ツッコミたいことが仰山あるけど……まあええわ……【チャットオープン】」
ステータスを開示する時同様に、どの変に提示するか、大きさも考えながら発動した。全員が見えるように大きめで、映像の隣に出現する。
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個称 ▷リンディエール・デリエスタ
(ウィストラ国、デリエスタ辺境伯の長女)
年齢 ▷10
種族 ▷人族
称号 ◀︎【ステータスチャット】
改めまして〜
私は主神マーナルディア
よろしくね♪
あ、今ので分かったと思うけど
↓これ、魔力使ってるから
そこんとこよろ〜(^з^)-☆
レベル ◀︎
体力 ◀︎
魔力 ◀︎99%(これ重要)
魔力属性◀︎
ーーーーーーーーーーーーー
「電池代わりかい!」
思わずツッコんだ。
『大丈夫、大丈夫。
バカみたいな魔力量だもの。
一日中でも保つわ。
充電は夜の寝てる間にね♪』
完全に充電池扱いだった。
「ええけどな! それより、これは神託とちゃうん? 他に出来るもんはおらんの? 例えば聖女とか」
『だって〜。
聖女を任せられるのが居ないんだもの。
誘拐犯で詐欺師で〜
器物破損するような〜
犯罪者の国に任命された聖女って……
私の所為です!
って自白してるとか(笑)』
「ムリクリ過ぎやろ……」
この神の存在も疑いたくなるが、ステータスを変えられる者はいない。一番見えなくすることはできても、書き換えることは人ではできない。だから、神だというのも信じていいかもしれない。
しかし、それにしては主神のイメージが崩壊寸前だ。
「……マーナルディア様は女神ではないはずですが……」
「だよな? 神殿にある神像も、威厳のある男神だったぞ……?」
クイントとブラムレース王の言葉に、誰もがしきりに頷いて同意を示す。だが、ヒストリアの記憶では違ったようだ。
《いや、マーナルディア様は女神だ。こちらの大陸では男神となっていたから、人族は別の神を信仰しているのだと思っていたが……》
そういうものだとして、ヒストリアは特に疑問に思うこともなく受け入れていたようだ。
『それよ! それ!
あのおバカども!
女が上に立つってのが嫌だとかって
男神にしたのよ!
神に性別などないからとか理由も用意して!』
「……えらいやらかしとるやん……よお手え出さんかったなあ……」
『土地が穢れ過ぎて
出したくても出せないのよ!
何度か浄化出来る神子を送ったけど
完了する前に大穴開けたり
罠にかかったり
全然中央に辿り着かないのよ!』
「それ……呪われとらん?」
神の使者である神子が上手く行動できない理由が何かあるのではと思ってしまう。
『呪いなんてないと思うけど』
「あっちが、なんか強力な御守りみたいなの持っとるとか。だいたい、ヒーちゃんをやり込めたんも、納得できんのやで?」
ヒストリアが、いくら異世界から来た特別に力を持った者だとしても、負けるとは思えないのだ。あの国には、異世界召喚だけでなく、まだ何かあると感じていた。
『あ……
一つあるわ……』
「何やの?」
『【幸運転化の宝玉】』
「……なんか、分かった気がするで……持っとるもんの、都合の良いようになるんやな?」
『正解!
\(^o^)/』
「……」
最悪だ。呑気に『正解!』なんて言っている場合ではない。
「そんなもんあるんやったらどうにもならんやん……ってか、やったん神様やろ」
『うん。
神殿を作ってくれたお礼に☆
けどそっかあ。
アレか〜、アレのせいか〜』
この厄介さを、本当に理解しているのだろうかと、呆れて目を細めた。
すると、神が提案した。
『頑張ってこっちで力を抑えるわ。
だからぁ。
盗ってきて♡』
「盗めと!?」
『さあ!
怪盗の時間よ!』
「怪盗の時間……なんや、ドキドキするわ……こんな、ときめくとは思わんかった……っ。ええやろう! 怪盗リィーン! 華麗に決めたるで!」
『いいぞー!
五発くらいかましたれ!
あ、それ取ってきた方がいいやつのリスト』
「んん?」
一つじゃないらしい。
『①幸運転化の宝玉
②穢れた王冠
③召喚の杖
④隷属の香石
⑤召喚された異世界人一人』
「明らかにあの国が持っとってはあかん奴やろ! あと、怪盗に誘拐も含まれるん!?」
『怪盗は心さえ奪えるんでしょ?』
「どこ情報や!?」
そんな特殊な情報、どの世界にもコロコロとその辺に転がっているものではない。
『あいつはとんでもないものを
盗んでいきました……
それは……
あなたの心です!!
って聞いたことあるでしょ!?』
テレビで!!』
「やっぱ地球か!! 分かっとったけどな!!」
『ってことで
楽しい舞台を期待してるわ!』
「娯楽扱い!?」
そのツッコミの直後【チャットを終了しました】と表示され、一方的にやり込められた感を否めず、リンディエールは脱力した。
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読んでくださりありがとうございます◎
次回、来週です。
よろしくお願いします◎
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