第8話 終焉
一連の事件が何とか終結したのは、3か月ほどたってからである。
酒に酔って発狂した
原因がかハッキリしないのはE子である。その後の事情聴取では、クラス内で浮いていたものの、いじめがあった訳ではなかった。だが、何かをきっかけに怯えて次第にふさぎ込む様になっていたと言う。
あの夜、E子は事件が起きる少し前に、まるで何かに導かれるようにふらふらと家を出て行った。村の年寄りが、坂を上って行くE子の姿を見ていたのだ。
坂を上り国道に出てしばらく歩いて行くとトンネルに挟まれた大橋に出る。この大橋の下には川が流れているが、橋を挟んで川下の方を少し行くと、そこには以前[伝染病患者]を隔離したと言われる隔離病棟が存在した。今では全て撤去されて雑草の生えた河原となっているが、以前はそこに確実に存在していたのである。
E子はあの晩、おそらく男の幽霊を見てしまったのだろう。 そして、その男が自分の先祖であることを感じてしまったのだ。だから、恐怖を感じることもなく、ただ先祖の霊の後を追いかけて行ってしまったのだ。まるで夢遊病者の様に。
そして、自分が楽しかったころの思い出を残すように、運動会で活躍した時のハチマキを橋の欄干に結び付けて、彼らの所に行こうとして欄干を超えてしまったのだ。
老婆は言う。
「何で、あんなことしたんだか? Iさんちの主人は因業な人だったからね、Yちゃんは結局、墓は移してもらったけど、和尚さんに
老婆は涙をぬぐいながらそう話した。
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