第10話 とり鉄

光春くんがとり鉄を始めたらしい


正直興味はないがお金をくれるというので同行した


「こんな夜中に列車撮れるの?」


って尋ねたら


「夜の方が人もいなくて確実にとれるんや。ミスターローレンス。見張っててな」


そういうと車庫に入っていった。


車掌さんに怒られるレベルを超越したことをするなと感心していると


車庫から列車が走ってきた


やべ、逃げようと思うと


列車の運転席には光春くんが


出発進行の合図をしながら


「ロシアに高く売ったるでー」


とそのまま夜霧に消えていった



撮り鉄でなく


盗り鉄だった


おそらく


ロシアまで線路が繋がっていないことを


彼は


知らない






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