通勤の楽しみ
忙しい日々でも楽しく通勤ができるのは、「ヨメバ」という漫画の読み放題アプリがあるから。
残業も多いし、家に帰るとすぐに寝てしまう。
「ヨメバ」を使えるのは通勤のときだけなのだ
「ヨメバ」は無料で使ってるけど、決して違法のサービスなんかじゃない。運営しているのは誰もが知っている有名企業だ。利用している人も多いし、周りの乗客もスマホに釘付けになっている。
でも、物語が所々飛んでしまうのはなんとかしたい。まぁ、少し話が抜けていたとしても、全体の流れは分かるから、問題なく楽しめているのだけれど。
昨日は訳あって「ヨメバ」を使えなかったけど、今日は使える。
よし、早速読むぞ。
ほうほう。おー、そう来たか。予想を裏切る展開じゃないか。やはり前回読んだときから少し話が飛んでいるけど、なんの問題もない。最高に面白い。
おっと。今日はここまでか。明日が楽しみだ。
*
忙しい日々でも楽しく通勤ができるのは、「ヨメバ」という漫画の読み放題アプリがあるから。
仕事が終わって家に帰っても、もうすぐ一歳になる娘の面倒を、疲れた妻に代わって見なければいけない。
「ヨメバ」を使えるのは通勤のとき時だけなのだ。
「ヨメバ」は月額1,280円。値段については賛否両論あるみたいだけど、各ジャンルの有名なものからマイナーなものまで好きなだけ読めるし、本の保管場所が必要ないことも考えると、漫画が大好きな俺にとってはお得すぎる。
昨日は妻が体調を崩してしまい、急遽仕事を休んだ。
娘の面倒、買い物、食事の準備、洗濯。急に与えられた課題をこなす合間に、なんとか一話だけ読んだ。
先が気になって仕方ない。
よし、早速読むぞ。
ふむふむ。おー、そう来たか。予想を裏切る展開じゃないか。最高に面白い。
面白いが。
どうしても気になる。
いつも同じ時間の同じ車両に乗っているのだけど、隣に立つ人も同じなのだ。
しかも、隣から俺のスマホを覗いている気がする。視界の隅に映るその立ち姿には、どことなく違和感があるし、不自然に距離が近い。
いつも乗る車両は、駅に着くと階段が目の前に位置する車両だから便利なのだが……気持ち悪い。
自分で使え。俺だって安くない金を払ってるんだ。もう我慢できない。
少し面倒になるけど、明日から違う車両に乗ろう。
〈了〉
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