第5話 次元の蓋?!まじかぁ、ブラックホールじゃねーかよぉッ!!
「ピット、さっきの魔法画記録はしてるんでしょ?」
ユニが訊く。
「ユニ姫様、それは大丈夫ダス! 魔法タブレットの中に我輩の魔力で記憶させてあるダスから」
ピットは、胸を張り、ポンと丸い手で胸を叩く。
ラクリたちの視線が集まる。
「一応、ラクリ、召喚ポスターの異次元魔法穴、蓋(ふた)しときましょ。また、お父様に見付かったら、強引にでもゆーま、連れて行かれそうだしね」
そういい、ユニは、ゆーまの部屋の壁にあった、召喚ポスターのブラックホールのような黒い穴を見遣る。
「で、この召喚ポスターの魔法穴って、もしかして、ユニたちの魔法の国と、ほんとに、繋がってるの、ユニ?」
「繋がってるよ。私の国と。それが、どうしたの?」
「いや、ということは、許婚(いいなずけ)ってことは、ユニと結婚したら、その、魔法の国に行って、君主になるってこと?」
「そうじゃ、まだわかっとらんやつじゃ! お主が、次期後継者といっておるじゃろ! 勇者じゃ!」
「やっぱり、マジぃッ、勇者? じゃぁ、俺は、天皇みたいに鳥かごになるわけね」
何を考えているのか、ゆーまは、どよよんとした面持ちで下を向く!
「でもね、強引には連れて行かないよ。ゆーまが、私でいいって言ってくれて、好きになってくれて、私を守ってあげるって、言ってくれるような人になるまでは、強引には連れて行かない。こっちで、結婚してもいいしね」
ユニがうふふと、可愛い面持ちでいい、ウィンクをゆーまに飛ばす。
「ちょっと待って。何か、話がややこしくなってる」
行き成りの言葉にゆーまは、慌てふためき、身体(からだ)をバタバタ照れくさそうに動かす。
「では、姫様、異次元魔法穴を魔法アイテムで塞(ふさ)いでおきます!」
「お願い、ラクリ」
ユニが言うと、異次元魔法穴の前にパタパタと羽を動かし、ラクリがその真ん前で止まった。
「いでよ! 次元蓋(ディメンションホール)!」
PON!
ラクリが言うと同時に、瞬時に、蓋(ふた)のような物が現れた。恐らく魔法の国テスラの魔法アイテムだろう。
「展開!」
次元蓋(ディメンションホール)が大きく広がり、異次元魔法穴に覆いかぶさるようになった。
見事に異次元魔法穴が、次元蓋(ディメンションホール)で、すっぽり入り、塞(ふさ)がり閉じられた。その瞬間、ユニが手で、蓋を思いっきり引っ張ったりして、開かないか、チェックしだした。ゆーまは、どうしていいか判らず、固唾(かたず)を呑(の)んでいる。
「大丈夫そうね! ちゃんと閉まってるね!」
ユニは、安心した面持ちで言った。
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