第4話 魔法の絵? しんじらんなぃ、まじかぁ?!



「で、そのおっきいペンとでっかいタブレット、何、ユニ?」



「これはね、魔法の国テスラの魔法アイテムなの。でもね、宮廷魔法画家の資格を持った人しか使えないから、私なんかは、魔法が使えても使えないの」



ユニが、軽く可愛い笑顔をみせ、笑顔でゆーまに言葉を返す。ゆーまは、そうなのかといった面持ちで頷(うなず)いている。



ピットが、次の瞬間、重い口を開いた。



「ムコ殿、我輩の魔法ペンと魔法タブレットダス!」


淡々とピットが解説していく。魔法ペンと魔法タブレットは大きくなって宙に浮いている。



「では、我輩の瞳に魔界を映しますダス」



「ゆーまぁ、こっち来て、一緒に手を繋いだシーン撮ろうよ」


ユニが、ゆーまに手招きをする。ラクリが宙に浮きながら腕組をし、その様子を一瞥していた。



「う、うん、そりゃ、いいけどさ」



ゆーまは潔く、ユニの言われたとおりにおろろと、挙動不審な歩き方をして、歩んでいく。



そして、ユニの隣に来て、ユニが、思いっきり、ゆーまの手を握った!



「ほら、ラクリも一緒に!」



ユニが、宙に浮いて腕組をしていたラクリに、発破をかけるように呼ぶ。不貞腐(ふてくさ)れた機嫌の悪そうな顔で、ラクリはパタパタと羽を動かしユニに近付いてくる。



「姫様の手を握るとは甚だしい!」



ブスッとした面持ちで、ラクリがゆーまを睨みつける。



「ラクリ、いいじゃない。許婚(いいなずけ)なんだし!」



ユニが困った顔をし、えへへと愛嬌(あいきょう)をみせる。



「ユニ姫様、準備はいいダスか?」



どんどん、ピットの瞳が、眼光を強く光らせ輝いてく。



「いいよ、可愛く描いてね!」



ユニが言う。



「では、魔界創造! はぁ、キタぁッ! パニクルぅー」



頓狂(とんきょう)な声を出し、ピットは魔法ペンを持ち、両手を大きく広げた。次の


瞬間、ピットの藍色の瞳が赤い色に変わった。



「な、なんだ、ピットの瞳の色が変わった!」



「魔法ペン展開!」



魔法ペンが光を出し、ピットの手が俊足に動いていく!



ズババババババ!



「は、速い!」



ゆーまは、余りの、ピットの手の動きの速さに、口をポカンとあけ、唖然となる!



「ふぅ、描けましたダス! 魔法画は魔力を多く使うダスな。しんどいダス」



少し、ピットが疲れた声で言うと、あっと言う間に、タブレットの中に魔法画が描けていた。



「魔法画、展開!」



「な、何だ! 描いた絵が、魔法タブレットから飛び出してくる!」



ピットが魔法ペンで、ペン先が、魔法の力で輝いた状態で、魔法タブレットを叩くと、目の前に写真よりもリアルな情景の見事な魔法画が現れた。それは淡く光っていた。まったくユニ、ラクリ、ゆーまたちと同じ姿の魔法画があった。



「あれ、何だ、これ? 俺が、もう一人いる? 今、手を繋いでいたシーンと同じだ! ラクリもいる」



ゆーまは、唖然となり、魔法画に指を差しながらいう



「ビックリしておるのぅ。魔法画は、現実にあったものと同じようにその時、描いたものが具現化するのじゃ! つまり、本人がしたことと、同じような情景を、魔法画で見ることができるのじゃ!」



ラクリが、淡々と説明していく。



「でさぁ、これ、消えるのかよ!」



「多分ね、消えるよ。ピットの魔法タブレットに魔法画は記録されているから、その魔法画を失わない限りは、何回でも具現化して見えるけど、ピットの魔法ペンで、突っ突けば消えるよ。いつもそうしてるもん」



ユニは、にこやかな笑顔でいい、可愛くウィンクする。



「ムコ殿、この魔法画を消すダスか?」



「いや、ユニと手を繋いでいるのを見えるのは、嬉しいんだけど、あのさぁ、やっぱ、恥ずかしい、消してくれ」



「了解いたしたダス! 魔法画破壊!」



PON!



ピットが、そういい、魔法ペンで、具現化していた魔法画を、突っ突くと現れていたユニたち三人の姿が、光り輝きながら消えてしまった!








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